【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナへの軍事支援 欧米各国が会合

ウクライナでは本格的な冬を迎える中、ロシア軍が無人機やミサイルで電力などのインフラ施設を狙った攻撃を加速させるのではないかと警戒を強めています。

こうした中、ウクライナへの軍事支援について欧米各国が話し合う会合が22日、オンライン形式で開催され、ウクライナからはザルジニー総司令官も初めて参加し、戦況について説明しました。

会合での欧米側の支援についてゼレンスキー大統領は22日、動画での演説で「砲弾やミサイル、電子戦、無人機、そして新たな防空能力が含まれる。防空の連合が結成され、リーダーはドイツとフランスだ。ウクライナの空の盾は毎月、強力になっている」と述べ、防空能力を高める欧米の支援グループが結成されたとしてロシア側の攻撃に対抗する考えを強調しました。

プーチン氏 “和平交渉を拒んでいるのはウクライナ”

ロシアでは、プーチン大統領が21日に中国、ロシア、インドなど新興国でつくるBRICSのオンライン形式の首脳会議に参加したのに続き、22日にはG20=主要20か国のオンライン形式の首脳会議に参加し、和平交渉を拒んでいるのはウクライナだなどと、これまでの主張を繰り返しました。

そして、23日には、ロシアが主導して旧ソビエトの国々が加盟する軍事同盟の首脳会議がベラルーシで開かれ、プーチン大統領も出席する予定です。

プーチン大統領としては、勢力圏とみなす国々の結束をアピールしながら欧米へのけん制を強めるねらいとみられ、外交活動を活発化させています。

ゼレンスキー大統領“厳しい気象条件 困難な防衛作戦に直面”

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが東部で攻勢を強める中、ゼレンスキー大統領は22日SNSで、厳しい気象条件のもと、東部ドネツク州で困難な防衛作戦に直面していると明らかにしました。

ロシアが掌握をねらうドネツク州のアウディーイウカをめぐって、ウクライナ国家警察は22日SNSに「まちに残る1300人余りの住民は、電気や暖房、水がなく、寒さが訪れる中でも砲撃がやまず、絶望的な状態に置かれている」と投稿しました。

ウクライナ軍の前線の司令官は22日「ロシア軍は空爆などの回数をかなり増やしているが、アウディーイウカ方面の防衛は堅持している」と主張したものの、ロシア軍は兵士の犠牲をいとわず攻勢を強めていて、激しい戦闘が続いているものとみられます。

一方、ウクライナ軍の参謀本部は、南部ヘルソン州でロシア側が占領するドニプロ川の東岸をめぐって、ウクライナ軍の部隊が複数の拠点を確保していると発表し、ゼレンスキー大統領も22日、南部では反転攻勢を続けているとSNSで強調しました。

英国防省“ドニプロ川東岸 ウクライナ軍拠点守り戦闘”

イギリス国防省も22日、ドニプロ川の東岸地域にあるクリンキという集落の周辺でウクライナ軍が拠点を守りロシア軍との戦闘が続いていると分析しています。

G20首脳会議 プーチン大統領“和平交渉拒むのはウクライナ”

ことし9月にニューデリーで開かれたG20=主要20か国の首脳会議で採択された首脳宣言の具体化に向けて、議長国インドの呼びかけで22日、首脳会議がオンライン形式で開かれました。

今回の会議には欧米諸国の首脳が参加する主要な国際会議を欠席してきたロシアのプーチン大統領が出席しウクライナ情勢についても議論が交わされました。

プーチン大統領は、参加した首脳の間からロシアによる軍事侵攻が続いていることは衝撃だとの発言が出たとしたうえで「当然、軍事行動はいつも悲劇だ。この悲劇をどう終わらせるのか考えなくてはならない」と述べました。

ただ「ロシアはウクライナとの和平交渉を拒否したことはない。公に交渉を拒んでいるのはウクライナのほうだ」などと、これまでの主張を繰り返しました。