パプアニューギニア噴火 「日本への津波の影響はない」気象庁

20日夕方、南太平洋のパプアニューギニアの火山で発生した大規模な噴火について、気象庁は日本への津波の有無を調べていましたが、さきほど「日本への津波の影響はない」と発表しました。

気象庁によりますと、日本時間の20日午後3時半ごろ、パプアニューギニアのウラウン火山で大規模な噴火が発生し、噴煙が上空およそ1万5000メートルまで上がりました。

大規模な噴火が起きると気圧波による津波が発生することがあるため気象庁は日本への津波の有無について調べていましたが、国内外の検潮所で潮位や気圧の目立った変化は観測されませんでした。

このため、気象庁は午後11時、「日本への津波の影響はない」と発表しました。

パプアニューギニア当局「噴火さらに続くと予想」

20日夕方、パプアニューギニアのウラウン火山で発生した大規模な噴火について、パプアニューギニアの災害対応を行う当局が現地時間の午後6時に発表した情報では「噴火は続いている」としています。

そして、警戒のレベルを最大級のステージ4「非常に強い噴火」に引き上げるとしていて、「地震活動が増加傾向にあることから、噴火はさらに続くと予想される。引き続き監視を続ける」としています。

パプアニューギニア政府が公表した午後6時ごろのウラウン火山の画像では山頂付近から白と黒の噴煙が上がっているのが確認できます。噴煙で山頂付近が覆われています。

オーストラリア気象当局「緊急対応必要という情報入っていない」

パプアニューギニアのウラウン火山で発生した噴火について、オーストラリアの気象当局は「緊急対応が必要だという情報は今のところ入っていない。パプアニューギニアからのさらなる情報を待っている」としています。

ウラウン火山とは

世界の火山について調査をしているアメリカのスミソニアン自然史博物館のホームページによりますと「ウラウン火山」はパプアニューギニアのニューブリテン島にある標高2334メートルの火山です。

パプアニューギニアで最も頻繁に活動する火山の1つで、2019年には大規模な噴火が発生して噴煙が高さ1万9000メートルに達したほか、ことしに入ってからも断続的に噴火が確認されています。

去年1月のトンガ噴火踏まえた情報発信に

去年1月の南太平洋・トンガの海底火山で起きた大規模な噴火で日本でも潮位の変化が確認されたことを踏まえ、海外で同じような規模の噴火が発生した場合、潮位の変化に関する情報を発信する運用を始めています。

具体的には海外で噴煙の高さが上空1万5000メートルに達する大規模な噴火が起きた場合、地震に伴うものとは異なる「津波」が発生するおそれがあることや海外で観測された潮位の変化を伝えるほか、国内では潮位が基準に達した時点ですみやかに警報や注意報を発表するとしています。