アルゼンチン大統領選 右派のミレイ氏が勝利

急激なインフレなど経済の混乱が続く南米のアルゼンチンで19日大統領選挙の決選投票が行われ、中央銀行の廃止などその過激な主張から「アルゼンチンのトランプ氏」といわれている右派の下院議員、ミレイ氏が勝利しました。

南米のアルゼンチンで19日任期満了に伴う4年に1度の大統領選挙の決選投票が行われました。

アルゼンチンの選挙管理委員会によりますと開票率99%時点での得票率は
▼右派の経済学者で下院議員のハビエル・ミレイ氏(53)が55.6%
▼中道左派の与党の候補で経済相のセルヒオ・マッサ氏(51)が44.3%
でミレイ氏が勝利しました。

ミレイ氏は首都ブエノスアイレスで支持者を前に演説し、「アルゼンチンの状況は危機的だ。この国には抜本的な変化が必要で、徐々に物事を進める余地はない」と述べ、年率で140%にのぼる急激なインフレや貧困問題などへの対応を急ぐ考えを示しました。

ミレイ氏は中央銀行を廃止しドルを法定通貨にして物価を安定させると訴えるなど、その過激な主張から「アルゼンチンのトランプ氏」といわれています。

ミレイ氏は現政権が重視する中国などとの関係も見直し親米路線に転換すると主張していて、今後、アメリカや中国、南米の国々との外交関係に変化が出ることも予想されています。

アメリカ トランプ前大統領 SNSでミレイ氏を祝福

アルゼンチンの大統領選挙でミレイ氏が勝利したことを受けてアメリカのトランプ前大統領は19日、SNSに「世界中が注目した素晴らしい闘いだった。あなたをとても誇りに思う。あなたは国を立て直し、アルゼンチンを再び偉大な国にするでしょう」と投稿し、祝意を示しました。