イスラエル軍「病院がハマスの隠れ場所に」 作戦の正当性強調

パレスチナのガザ地区で地上侵攻を続けるイスラエル軍が突入し、深刻な人道状況が懸念されているガザ地区最大のシファ病院から、新生児31人が退避したと地元の赤新月社が発表しました。

一方、イスラエル軍は病院の敷地内に地下トンネルを発見したとする映像を公開し、「病院がハマスによるテロ行為の隠れ場所となっている」と主張しました。

イスラエル軍は19日、地上侵攻を続けているガザ地区北部のガザ市リマルなどで軍事作戦を行い、ハマスが利用していた武器庫や多数の地下トンネルを発見したなどと発表しました。

一方で、イスラエル軍がハマスの重要な拠点があると主張して15日に突入したシファ病院では、深刻な人道状況が懸念されるなか19日、パレスチナ赤新月社は、低体重などで生まれた新生児31人を退避させたと発表しました。

ただ、WHO=世界保健機関などの国連機関が、18日にシファ病院を訪れた際には、なおも医療従事者25人と患者291人が残されていたほか、病院内の衛生対策が不十分で、抗生物質も手に入らないため、症状がひどくなっているということで、WHOは患者らをすぐにほかの施設に避難させるよう訴えています。

一方、シファ病院に突入したイスラエル軍は、病院の敷地内の地下に、深さ10メートル、長さ55メートルのトンネルを発見したと主張して、その映像を公開しました。

ドローンによって撮影したとみられる映像では、空中から縦穴のようなものを抜け、地下のトンネルのような空間までを一連で撮影しています。

イスラエル軍は、「この調査結果は、病院がハマスによるテロ行為の隠れ場所となっていることを明確に示している。ハマスがガザ地区の住民を、人間の盾としている証拠だ」と主張したうえで、引き続き解明を続けるとしていて、軍事作戦の正当性を強調しました。