ロシアと北朝鮮 政府間で協力拡大へ議定書 労働者派遣に懸念も

ロシアと北朝鮮は、政府間で経済や科学技術の協力について話し合う委員会を15日に開催し、協力事業の拡大に向けて議定書に調印しました。国連安全保障理事会の決議に違反することになる、北朝鮮の労働者のロシアへの派遣についても話し合われた可能性が指摘されていて、関係国は懸念を強めています。

16日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、ロシアとの政府間で経済や貿易、科学技術の協力について話し合う委員会がきのう、首都・ピョンヤンで開催されたと伝えました。

委員会の開催は4年ぶりで、ロシア側からコズロフ天然資源環境相、北朝鮮側からユン・ジョンホ対外経済相が委員長として出席しました。

この中ではことし9月の首脳会談での合意を踏まえて、各分野で交流や協力事業を拡大していくことについて話し合われ、議定書が調印されました。

ただ、議定書の内容は明らかにされていません。

韓国メディアは、北朝鮮の外貨獲得手段とされ、国連安全保障理事会の決議に違反することになる北朝鮮の労働者のロシアへの派遣についても話し合われた可能性を指摘し「国際社会からの批判を避けるため、具体的な内容を公開しなかったと考えられる」という見方を伝えています。

ロ朝両国が軍事に加えて、こうした経済分野でも協力を拡大していくことに対し、関係国は懸念を強めています。