上川外相 APEC出席で各国の外相と会談

APEC=アジア太平洋経済協力会議などに出席するためサンフランシスコを訪れている上川外務大臣は各国の外相と会談しています。

韓国 パク・チン(朴振)外相 と会談「引き続き連携」

上川外務大臣は日本時間の16日朝早く、韓国のパク・チン(朴振)外相と会談しました。

両外相は北朝鮮による核・ミサイル開発や拉致問題、ロシアによるウクライナ侵攻など課題に対応するため緊密に連携していくことを確認しました。

また、外務次官による戦略対話が9年ぶりに再開されるなど、外交当局間で意思の疎通が図られていることは喜ばしいとした上で、民間レベルの対話や交流を後押ししていくことで一致しました。

さらに、上川大臣はイスラエル・パレスチナ情勢をめぐり、自身の中東訪問を踏まえ、ガザ地区の人道状況の改善などを求める日本の取り組みを説明しました。

そして、イスラエルから自国民をそれぞれ出国させた際に輸送機に互いの国民を搭乗させたことに触れ、「協力し合うことができたので、引き続きよく連携したい」と伝えました。

フィリピン外相「関係を強化」、ペルー外相 経済協力深める

上川外務大臣は日本時間の16日朝フィリピンのマナロ外相と会談しました。

この中で、岸田総理大臣が11月にフィリピンを訪れたことに触れ、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を首脳間で確認できたことは有意義だった」と述べました。

これに対し、マナロ外相は「両国の関係をさらに強化させていきたい」と応じました。

その上で、両外相は海洋進出を強める中国を念頭に、日本が新たな支援の枠組みを通じて沿岸監視レーダーを供与することなどを踏まえ、安全保障分野での連携を強化していくことやアメリカを含む3か国の協力を着実に進めていくことで一致しました。

一方、上川大臣はペルーのゴンサレス・オラエチェア外相とも会談し、銅や鉛など重要鉱物のサプライチェーンの強化など経済協力を深めていくことで一致しました。

また、来年ペルーがAPECの議長国を務めることから、会議の成功に向け連携していくことも申し合わせました。