静岡 特養で集団食中毒 利用者と職員33人が腹痛や下痢 2人死亡

静岡県は、西伊豆町の特別養護老人ホームで利用者と職員あわせて33人が腹痛や下痢などの症状を訴え、2人が死亡したと発表しました。患者の便からは腸管出血性大腸菌O157が検出され、県は施設で出された給食が原因の集団食中毒と断定しました。

静岡県によりますと、11月6日の朝から、西伊豆町にある特別養護老人ホーム「ヒューマンヴィラ伊豆」の利用者と職員の合わせて33人が腹痛や下痢、血便などの症状を相次いで訴えたということです。

患者の内訳は、
▽45歳から103歳までの女性25人と、
▽57歳から95歳までの男性8人です。

このうち、いずれも西伊豆町に住む入所者の
▽76歳の女性が11月11日に、
▽81歳の男性が15日に
それぞれ死亡したということです。

また、現在、8人が入院しているということです。

保健所が調べたところ、全員が11月3日に施設で昼食として提供された給食を食べたとみられ、検査の結果、10人の患者の便から「腸管出血性大腸菌O157」が検出されたということです。

県は施設で出された給食が原因の集団食中毒と断定し、この施設の調理を担当していた「日本ゼネラルフード」に15日から当分の間、営業禁止を命じました。

会見で静岡県衛生課の太田智恵子課長は「営業を再開する前に徹底した消毒と従業員の教育を求めたい。原因についても今後、詳細に調査していきたい」と述べました。

施設長「大変重く受け止め」

「ヒューマンヴィラ伊豆」の佐藤友康施設長が取材に応じ、「症状を重くされ、施設内や医療機関で治療し、職員一同で介抱したが、お亡くなりになりました。施設では大変重く受け止めています。およそ20人が施設内で治療し、複数の方がまだ症状を訴えています。1日も早い回復に向けて、全力をあげて対応をおこなっていきます」と話していました。

調理委託を受けた業者「誠心誠意おわび」

この施設から調理の委託を受けていた名古屋市に本社のある「日本ゼネラルフード」は「今回、2名の方が亡くなられ重く受け止めています。誠心誠意おわびを申し上げます。今後は社内の衛生管理を徹底してまいります」とコメントしています。