内閣府 7月~9月までのGDP きょう発表

内閣府は15日、ことし7月から9月までのGDP=国内総生産を発表します。民間の予測では、個人消費、設備投資とも力強さに欠け、成長率はマイナスとなるという見方が多くなっています。

15日に発表されることし7月から9月のGDPの速報値について、公益社団法人「日本経済研究センター」が集計した民間のエコノミスト36人の予測の平均は、前の3か月と比べた実質の伸び率が、年率換算でマイナス0.42%となっています。

▽GDPの半分以上を占める「個人消費」は、前の3か月と比べて平均でプラス0.26%と小幅にとどまると予想されています。

外出機会の増加で、旅行や外食などの消費が堅調な一方、値上がりが続く食料品の販売が振るわず、大幅な伸びは見込めないという見方が出ています。

また、
▽企業の「設備投資」は、ソフトウエア関連の投資が増えていることなどから、プラス0.38%の見通しとなっています。

一方、
▽「輸出」から「輸入」を差し引く「外需」は、自動車などの「輸出」に比べてエネルギー関連など「輸入」の伸びが大きく、GDPを押し下げるという見込みとなっています。

ことし4月から6月のGDPは、「外需」がけん引した形になりましたが、今回は個人消費や設備投資といった「内需」の動向が焦点になりそうです。

主要な経済圏 7月~9月のGDP

すでにデータが公表されている主要な経済圏のことし7月から9月までのGDPは、アメリカや中国が実質の伸び率でプラスとなる一方、ユーロ圏は小幅なマイナスとなっています。

アメリカ

アメリカは前の3か月と比べた実質の伸び率が、年率に換算してプラス4.9%でした。

プラス成長は5期連続で、伸び率は、前の3か月のプラス2.1%から大きく拡大しました。

▽GDPのおよそ7割を占める個人消費の伸びが加速したほか、
▽FRB=連邦準備制度理事会の利上げの影響などで、
これまでマイナスが2年続いていた住宅投資も3.9%の増加とプラスに転じるなど、高い金利水準のもとでもアメリカ経済の堅調さが続いていることが示されました。

ユーロ圏

ドイツやフランスなどユーロ圏の伸び率は、年率換算でマイナス0.4%でした。

インフレは落ち着く傾向がみられますが、ヨーロッパ中央銀行による1年以上にわたる利上げの影響で、個人消費や企業活動が停滞していることが示されました。

国ごとに見ますと、
▽ユーロ圏最大の経済規模のドイツがマイナス0.1%だったほか、
▽フランスが0.1%
▽スペインも0.3%と、
軒並み低い伸びにとどまっています。

中国

中国は、内閣府の試算による年率換算でプラス5.3%となりました。

▽「ゼロコロナ」政策の終了後、初めての夏休み期間となり、旅行需要の高まりで飲食などサービス業は回復が続いていますが、
▽不動産市場の低迷の長期化で、家具や家電などの消費が低調だったほか、
▽輸出も減少しています。

中国政府は不動産市場の改善をはかるため、住宅ローン関連の規制を緩和するなどの対策を進めていますが、景気の回復は力強さを欠く状況が続いていて、世界第2位の経済大国である中国の景気の先行きに対する不透明感は、世界経済全体にも懸念材料となります。