ガザ地区の国連機関 燃料不足のため48時間で活動停止のおそれ

イスラエルが地上侵攻を続けるガザ地区では、人道状況が厳しさを増し、現地で活動する国連機関は、燃料不足によって48時間で活動停止に追い込まれるおそれがあるとして即時の停戦を改めて訴えました。

イスラエル軍は13日もガザ地区に対する空爆や地上部隊による作戦を続け、対戦車ミサイル部隊の司令官などハマスの幹部5人を殺害したと主張しています。

さらにイスラエル軍は、ガザ市にあるクッズ病院の周辺で撮影したとする映像を公開しました。

イスラエル軍の説明によりますと病院の入り口付近でハマスの戦闘員だとする人物がロケットランチャーで攻撃したあと病院に戻って隠れたなどとしていて「ハマスが病院などの民間施設を悪用している新たな証拠だ」などとしています。

クッズ病院についてパレスチナ赤新月社は今月12日、燃料不足や攻撃による被害のため稼働を停止したと発表していて、イスラエル側が病院の周辺などでの攻撃を正当化する狙いがあるとみられます。

これに対してパレスチナ赤新月社は、「病院内に武装した人物はおらず、いるのは、患者とその家族、そして医療スタッフだ」とイスラエル側の主張を否定しました。

一方、ガザ地区の保健当局はイスラエル軍による攻撃や燃料不足によって地区内にある35の病院のうち25がこれまでに稼働の停止に追い込まれたと発表しました。

また、ガザ地区最大の病院、シファ病院では新生児7人と患者27人が死亡したとしています。

こうした中でUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関で、ガザ地区での人道支援にあたるホワイト所長が13日、現地からオンラインで会見しました。

UNRWAはガザ地区で避難民などに対して飲料水や食料を供給していますが、ハマスによる奇襲攻撃が行われた先月7日以来、ガザ地区への国連による燃料の供給が途絶えていると説明しました。

その上で「燃料不足によって、48時間後には活動ができなくなる。飲料水の不足はとりわけ深刻で、たとえ脱水症状の患者が出ても病院も燃料がないため患者を助けられなくなる」と述べ、15日にも活動停止に追い込まれるおそれがあるとして改めて即時の停戦を訴えました。