ウクライナ “南部クリミアでロシア小型揚陸艦に損傷”と発表

領土奪還を目指して反転攻勢を続けるウクライナ軍は、ロシアが一方的に併合した南部クリミアでロシア海軍の小型揚陸艦を攻撃し損傷を与えたと発表しました。一方でロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部に近いロシア軍の司令部を視察し、みずから作戦を指示したものとみられます。

ウクライナ空軍は10日、ロシア軍が発射した無人機5機とミサイル1発を、東部ハルキウ州や中部ポルタワ州、南部ミコライウ州などの上空で撃墜したと発表しました。

また、ウクライナ国防省情報総局は10日、ロシアが一方的に併合した南部クリミアで作戦を実施し、ロシア海軍の黒海艦隊の小型揚陸艦に損傷を与えたと、発表しました。

クリミアでは今月4日にもウクライナ軍が造船所をミサイルで攻撃し、ロシア海軍の艦船1隻を損傷させるなど、ウクライナ側はクリミアの奪還を目指し攻撃を続けています。

ゼレンスキー大統領は10日、激戦が続く東部や南部など前線での戦況について現地の司令官から報告を受けたとSNSに投稿し、このうち南部ヘルソン州について防空能力や電子戦を強化する方針を明らかにしました。

一方、ロシア大統領府は、プーチン大統領がウクライナ東部と国境を接する、ロシア南部ロストフ州にある軍の司令部を視察したと10日発表しました。ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長が同行し、戦況や装備品について説明を受けたということで、大統領が東部の作戦をみずから指示したものとみられます。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は10日「ウクライナは戦場で勝利は得られないと理解すべきだ」と述べ、軍事侵攻を続ける姿勢に変わりがないことを強調しました。