「にしきごい」“中国側が手続き進めず輸出停止” 宮下農相

宮下農林水産大臣は観賞用として中国で人気が高い「にしきごい」の輸出について、中国側が必要な手続きを進めていないことから、今月から輸出が停止していることを明らかにしました。

日本産の「にしきごい」は中国では富の象徴などとして人気が高まっていて、中国向けの輸出額は去年、12億円にのぼり、国別で最大の輸出先となっています。

「にしきごい」の輸出にあたっては、中国当局から認定を得た日本国内の施設などで検疫を行う必要がありますが、宮下農林水産大臣は10日の閣議のあとの会見で、「農林水産省としては認定の更新に必要な資料を提出しているが、いまだに中国当局より更新手続きが完了したという報告を受けていない。先月末で期限が切れたという状況で輸出が停止していると認識している」と述べました。

一方で、福島第一原発の処理水の放出を受けて、中国政府が行っている日本産の水産物の輸入停止との関連については「にしきごいは養殖ものであり、質的にも違うので連携はないと私自身は思っている」と述べました。

その上で、宮下大臣は「中国は科学的根拠のない措置をこれまでも行っているので、合理的な根拠なく貿易をゆがめるようなことは撤回するよう主張を続ける必要がある」と述べ、国際交渉などを通じて中国側に働きかけていく考えを示しました。