過労死なくすための対策考えるシンポジウムで遺族ら訴え 東京

来年度から医療や物流などの分野で労働時間の上限規制が始まるのを前に、過労死をなくすための対策を考えるシンポジウムが都内で開かれ、遺族らが「社会全体で労働環境の改善に取り組むべきだ」などと訴えました。

このシンポジウムは、今月の「過労死防止月間」に合わせて厚生労働省が開いたもので、東京 千代田区の会場にはおよそ180人が集まりました。

まず、労働問題に詳しい弁護士が医療・介護の現場などで起きた労災認定の事例を紹介したうえで、「過重労働や過労死はあらゆる職種や職場で起きる危険があり、労働時間の正確な把握が対策の根本だ」と指摘しました。

次に、過労死で家族を亡くした遺族5人が1人ずつ登壇しました。

このうち、去年5月、神戸市にある甲南医療センターで専攻医として勤務していたときに自殺し、労災と認定された高島晨伍さん(当時26)の母親・淳子さんは「『優しい上級医になる』と常々言っていた息子は、泣いて、笑って、育て上げたかけがえのない家族でした。息子の死後も若手医師を取り巻く環境は変わっていません。二度と悲劇を生まないよう医療、行政、社会が手を取って医師の労働環境が改善されることをせつに願います」と涙ながらに訴えました。

参加者の1人で、建設会社に勤めていた夫を過労死で亡くしたという女性は「遺族が声を上げることは勇気がいることですが、過労死が今もなくならない中、“伝えなければ”という思いを新たにしました」と話していました。