イスラエル国防相“地上部隊ガザ市中心部到達”市街戦本格化か

パレスチナのガザ地区で地上侵攻を進めるイスラエルのガラント国防相は7日、地上部隊がガザ市の中心部に達したことを明らかにしました。イスラエル軍は、ガザ市中心部での市街戦を本格化させる構えで民間人の被害拡大が懸念されます。

イスラエルのガラント国防相は、7日「イスラエル軍はガザ市の中心部にいる」と述べ地上部隊がガザ地区の北部にあるガザ市の中心部に達したことを明らかにしました。

イスラエル軍は、ガザ市周辺で地下トンネルなどハマスの拠点の破壊を続けていて、ガザ市中心部での市街戦を本格化させる構えです。

一方、ガザ地区の当局は、ガザ市を含む北部に依然として90万人がとどまっているほか、人道支援物資がおよそ1か月にわたり届いていないと主張し「南部がこれだけの人口を受け入れるのは無理だ」とイスラエル側を非難しました。

また、ガザ市にある地区最大級の医療機関、シファ病院には、今も数千人が避難していると伝えられています。

イスラエル軍は、これまでにハマスの中枢メンバーが活動する司令部がシファ病院の地下にあると主張していますが、ハマス側はこれを否定しています。

7日に撮影された映像では、シファ病院の周辺の路上を小さな子どもからお年寄りまで多くの人が行き交っているほか、病院の敷地内にはテントが並んでいて、男性たちが休んだりしている様子が確認でき、市街戦が本格化すれば、民間人の被害拡大が懸念されます。

イスラエルによるガザ地区への攻撃が続く中、アメリカのバイデン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イスラム組織ハマスに捕らえられた人質の解放のために、3日間の戦闘停止を要請したとアメリカのメディアが7日、報じました。

具体的には、イスラエルが3日間、戦闘を停止すれば、ハマス側が10人から15人の人質を解放するとともに、3日間のうちに人質全員の名前を特定し、名簿にして出すという内容だということです。

これに対してネタニヤフ首相は、ハマスを信用しておらず、要請に応じるときではないとして否定的な考えを示したということです。