大谷翔平の去就に最大の関心 大リーグ GMミーティング始まる

大リーグの各球団のゼネラルマネージャーが集まるGMミーティングが、7日からアリゾナ州で始まりました。ことしは、エンジェルスからFA=フリーエージェントとなった大谷翔平選手の去就が最大の関心を集めていて、関連する質問が相次ぎました。

大リーグ GMミーティング開始

GMミーティングはリーグ運営の改善点などを話し合うため毎年この時期に開かれる会合で、選手との契約交渉の時期と重なるため注目選手の去就も大きな話題となります。

ことしはアリゾナ州スコッツデールのホテルで7日から3日間の日程で行われ、初日から各球団のゼネラルマネージャーが報道陣の取材に応じました。

エンジェルスGM“大谷残留に期待”各チームも関心

このうちエンジェルスのミナシアンゼネラルマネージャーは、大谷選手について「交渉については話さないが、うちはプレーするのに望ましい場所だと思っている。うちはことし73勝のチームなので、選手1人だけではなく多くのポジションで補強が必要だ」と話し、大谷選手の残留に期待をのぞかせました。

▽マリナーズのディポートゼネラルマネージャーは「FAについては話さない。大谷は30チームすべてがほしいと思う選手だ」と話すにとどめたほか
▽ことしのワールドシリーズを制したレンジャーズのヤングゼネラルマネージャーは「補強のポイントは先発とリリーフの投手陣。バッターもほしい。勝ちたいと思う選手たちがチームにいてくれることを願っている」と話しました。

一方、ヤンキースのキャッシュマンゼネラルマネージャーは「誰もが知っているように大谷はすばらしい選手。何が実現可能で、何ができないのかを話し合って見極めるつもりだ」と話し、今後の交渉の可能性を排除しませんでした。

8日はドジャースやジャイアンツなどの編成部門のトップが取材に応じる見込みで、大谷選手に関してどのような発言が出るか注目です。

山本由伸 ヤンキースのゼネラルマネージャーが高く評価

プロ野球 オリックスからポスティングシステムを使って大リーグへの移籍を目指す山本由伸投手については、ヤンキースのキャッシュマン ゼネラルマネージャーが実力を高く評価しました。

キャッシュマン ゼネラルマネージャーは、山本投手が9月のロッテ戦でノーヒットノーランを達成した試合を現地で視察していて「すばらしい才能の持ち主で、実際にノーヒッターを見ることができて本当にクールだった」と話しました。

今シーズンのヤンキースは、アメリカンリーグ東部地区の4位でプレーオフを逃し、最優秀防御率のタイトルを獲得したエースのコール投手のほかに規定投球回に達した先発投手がおらず、山本投手はチーム最大の補強ポイントに合致しています。

キャッシュマン ゼネラルマネージャーは「先発投手は常に補強ポイントだ」とした上で「日本にはこれまでも多くの才能豊かな選手たちがおり、われわれは幸運にも彼らと契約することができた。これからもそうありたい」と話し、山本投手の獲得に意欲をのぞかせていました。

山本投手の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は7日、GMミーティングの会場で取材に応じましたが「山本についてはきょうは何もコメントしない」としました。

筒香嘉智 代理人「来シーズンもアメリカに残ってプレー」

ジョエル・ウルフ氏が代理人を務める筒香嘉智選手については「来シーズンもアメリカに残ってプレーする」と話し、プロ野球に復帰する考えはなく、来年の大リーグのキャンプに再び招待選手として参加し、昇格を目指す考えを示しました。

その上でウルフ氏は「ことし6月にレンジャーズを退団した時も日本のプロ野球のチームからいくつか話があり、日本に帰るチャンスはあったが、彼はアメリカに残ることを選んだ。彼は決して諦めない人で、私が見てきた中でも最もタフな選手。シーズン終盤にデッドボールを受けて指を骨折してしまったが、大リーグ昇格にあと一歩というところまで迫った」と話し、今後の交渉に自信を示していました。

◆【詳しく】日本選手の“敏腕代理人”

このオフ、大リーグで移籍市場の中心にいるのは大谷翔平選手や山本由伸投手など、日本の選手たち。その選手に代わって球団とさまざまな交渉を行う代理人をまとめました。

【ネズ・バレロ氏】
大谷選手が大リーグに挑戦した2017年から担当。かつては青木宣親選手や田澤純一投手の代理人も務めていたことでも知られています。バレロ氏が所属するのはトム・クルーズさんなど多くのハリウッド俳優を顧客に持つ大手の代理人事務所で、近年はスポーツ選手の代理人業務にも力を入れています。バレロ氏は野球部門の共同責任者を務めています。

【ジョエル・ウルフ氏】
オリックスからポスティングシステムを使って大リーグ移籍を目指す山本投手の代理人を務めます。日本選手の顧客を多く抱えていて現在、ダルビッシュ有投手、千賀滉大投手、鈴木誠也選手などを担当しています。

カーディナルスのアレナド選手といったスター選手やヌートバー選手も担当していてアメリカの経済誌、「フォーブス」が去年発表したスポーツ代理人のランキングで2位、現在の契約総額は推定で11億6000万ドル、日本円でおよそ1745億円ともされています。

【スコット・ボラス氏】
吉田正尚選手や菊池雄星投手を担当。「フォーブス」が発表したランキング1位の代理人です。フィリーズのハーパー選手やヤンキースのコール投手など100人以上の選手を顧客に持ち、現在の契約総額は推定で38億3000万ドル、日本円でおよそ5760億円とされ、代理人の収入となる手数料は300億円近くにのぼると見込まれています。

ボラス氏はかつて松坂大輔さんの代理人を務めたことでも知られ、このオフ、FAとなっている日本選手では前田健太投手や藤浪晋太郎投手の交渉を担当しています。GMミーティングの会場にはこうした敏腕代理人が数多く訪れ、会場のホテルで各球団の編成責任者と多くの情報交換を行っています。