「松葉がに」1匹280万円 ズワイガニ漁解禁で初競り 鳥取

山陰地方の冬の味覚、ズワイガニの今シーズンの漁が解禁され7日朝、鳥取市の港で行われた初競りでは「松葉がに」と呼ばれるオスのズワイガニが1匹280万円の高値で競り落とされました。

今シーズンのズワイガニ漁は6日解禁され、鳥取市の鳥取港では7日朝山陰沖での漁を終えた漁船4隻が水揚げしました。

午前8時からは初競りが始まり「松葉がに」と呼ばれるオスのズワイガニのうち、形や大きさなどが特にすぐれているとして、ブランドガニの「五輝星」(いつきぼし)に認定された4匹が競りにかけられました。

そして、この中の重さ1.28キロ、甲羅の長さ14.7センチの「五輝星」が最高値の280万円で競り落とされました。

これは去年の初競りの最高値100万円を大幅に上回り、県内では2019年の500万円に次ぐ高値だということで、鳥取県漁協では飲食店や宿泊に伴う需要が回復しているためではないかとみています。

鳥取県水産振興局の鈴木由香利局長は「五輝星が4匹とれたうえ、高値がついたことに感謝したい。カニを起爆剤にして鳥取への来客につなげたい」と話していました。

鳥取県のズワイガニ漁は来年3月20日まで行われます。

鳥取港近くの直売所 去年より1割から2割ほど高値

鳥取港に程近い水産物の直売所では、水揚げされたばかりの「松葉がに」と、メスの「親がに」が並べられ、このうち「松葉がに」は最も高いもので1匹2万5000円で販売されました。

7日は海が荒れた影響で、水揚げされたカニは例年よりも少なく、直売所によりますと、去年より1割から2割ほど販売価格が高かったとということです。

店を訪れた人は、生けすの中で動くカニを見たり、ずらりと並べられた中からお目当てのカニを購入したりしていました。

香川県から訪れた男性は「カニを購入するために鳥取まで来ました。価格は上がっていますが、カニが好きなのでしかたないと思っています」と話していました。

カニを販売する「中村商店」の中村俊介社長は「コロナも落ち着いてきて、カニの需要はかなり高まっているのではないかと感じます。漁師の皆さんもわれわれも、なんとか商売がうまくいけるようになればと思っています」と話していました。