9月の実質賃金 去年同月比2.4%減少 18か月連続でマイナス

物価の高い状態が続き、ことし9月の働く人1人あたりの実質賃金は去年の同じ月と比べて2.4%減少し、18か月連続でマイナスとなりました。

厚生労働省は全国の従業員5人以上の事業所、3万余りを対象に「毎月勤労統計調査」を行っていて、ことし9月の速報値を公表しました。

それによりますと物価の変動分を反映した働く人1人あたりの実質賃金は去年9月と比べて2.4%減少し、18か月連続のマイナスとなりました。

基本給や残業代などをあわせた現金給与総額は平均で27万9304円と去年9月と比べて1.2%増え、21か月連続でプラスとなりましたが、物価の上昇に追いつかず、実質賃金はマイナスの状況が続いています。

厚生労働省は「春闘の影響などで賃金は伸びているが、物価の高い状況は続き、実質賃金はマイナスが続いている。10月以降は最低賃金が全国で引き上げられたのでその影響や物価の状況が実質賃金にどう影響するか注視したい」としています。

松野官房長官「賃上げ進める環境整備行う」

松野官房長官は午後の記者会見で「賃金上昇が物価高に追いついておらず、消費は力強さを欠く状況にある。総合経済対策では燃料油価格や電気・ガス料金の激変緩和措置の延長など重層的な対策を盛り込み、賃上げを進める環境を整備するとともに、的を絞った一時的な措置として所得税や個人住民税の定額減税を行う。施策を速やかに国民に届けられるよう補正予算案を国会に提出し、早期の成立と執行に全力を尽くしたい」と述べました。