オリックス山本由伸 大リーグ挑戦 米メディアも相次ぎ速報

プロ野球のオリックスが、山本由伸投手の大リーグ挑戦を認めたことを受けて、5日、アメリカのメディアも相次いで速報などでこの話題を取り上げました。山本投手については、このオフに移籍が取り沙汰されている選手の注目ランキングで、大谷翔平選手に次ぐ2位に挙げているメディアも多く、アメリカで早くも関心が高まっています。

オリックスが山本投手の大リーグ挑戦を認める速報を伝えたアメリカのメディアのうち、大手テレビ局のCBSスポーツは山本投手について「今シーズンはストライク率が65%にのぼるなど高い制球力が魅力で、彼が細い筆で絵を描くことができるという裏付けだ。田中将大の記録的な契約を破る可能性は高い」と高く評価しました。

田中投手は2013年のオフにポスティングシステムを使って楽天からヤンキースに移籍し、7年契約の総額は1億5500万ドル、当時の日本円でおよそ161億円にのぼると伝えられました。

また、大リーグ機構が運営する「MLB.com」や、大手テレビ局のNBCスポーツはことしのFA選手などをまとめたランキングをそれぞれ発表していて、ともに1位にエンジェルスからFAになった大谷選手、2位に山本投手をあげました。

ことしナショナルリーグで最優秀防御率のタイトルを獲得し、パドレスからFAとなったスネル投手などを抑えて、山本投手が高く評価されている背景としては、ポスティングシステムを利用できる最低年齢の25歳で大リーグに挑戦することが挙げられています。

NBCスポーツは、契約の総額が6年で1億8000万ドル、日本円でおよそ270億円にのぼると予想し、さらにオリックスへの譲渡金としておよそ39億円がかかるとしています。

日本選手が大リーグのFAランキングの上位を独占するのは異例で、シーズンが終わったばかりにもかかわらず、山本投手の去就はアメリカで早くも関心が高まっています。

米記者「トップクラスの先発投手に」

WBCでの活躍(ことし3月)

「MLBネットワーク」の記者でWBC=ワールド・ベースボール・クラシックの取材経験も豊富なジョン・モロシ記者は、山本投手について「メッツの千賀と同じように大リーグでトップクラスの先発投手になるだろう。彼が先発したWBC準決勝、メキシコ戦での投球を見たが、すさまじいピッチングだった。彼はWBCですでに大リーグのボールにも対応できることを証明しているし、私は彼のマウンドでの冷静さにもとても感心している」と高く評価しました。

そのうえで、山本投手の獲得に名乗りをあげそうな球団に関しては「ドジャース、カーディナルス、ヤンキース、メッツ、レッドソックスなど、どのチームも先発投手を必要としているので彼には有利に働くだろう。私個人としては、近年アジアのスカウティングに非常に力を入れているカーディナルスが獲得するのではないかと予想している」と話していました。