能登地方の地震から半年 住宅の応急修理完了は6割

ことし5月、石川県能登地方で震度6強の揺れを観測した地震から、5日で半年です。珠洲市内では被災した住宅の応急修理が続いていますが、工事が完了した住宅は申し込みの6割にとどまっていて、冬を前に、どこまで工事を進められるかが課題となっています。

ことし5月に発生した能登地方を震源とする地震で、震度6強を観測した珠洲市では、全壊や半壊、一部損壊と確認された住宅が1500棟を超えるなど大きな被害が出ました。

市が発行した「り災証明書」は、10月までに延べ4622件にのぼり、市によりますと、今も一日3件ほどのペースで申請が出されているということです。

また、屋根や壁、窓といった日常生活に不可欠な部分の修理を自治体の費用で行う、応急修理制度には、10月までに530件の申し込みがありました。

地元の工務店などが作業にあたっていますが、このうち工事が完了したのは、およそ6割の315件にとどまっているということで、冬を前にどこまで工事を進められるかが課題となっています。

一方、珠洲市は、被災した住宅で生活する1人暮らしの高齢者や障害のある人などの巡回を続け、健康管理と心のケアにあたっています。

これまではボランティアの協力も得ながら行ってきましたが、市は生活再建に時間がかかるケースもあることから、継続的な支援に向けて、今後は社会福祉協議会に巡回を委託する予定だということです。

珠洲市周辺は今も活発な地震活動

珠洲市の周辺では、今も活発な地震活動が続き、気象台によりますとことしに入って震度1以上の地震は230回に達しています。

被害が大きかった珠洲市正院町に住む82歳の男性は、「地震で自宅の壁に亀裂が入りました。地震が怖くて落ち着いて眠れない夜が続き早く収まってほしいですが、自然災害なので受け止めるしかない」と話していました。

また、28歳の男性は「1人暮らしをしている知人の中には、不安を感じている人もいます。ただ、地震が続いても生活していくしかなく、復興を進めていかなければならない」と話していました。

このほか、地震で地面が隆起するなど大きな被害を受けたショッピングセンターの運営組合の多間利一理事長は、「地震に慣れてしまった部分もあるが、また大きな揺れが起きるかもしれない。小売業にとっては物価の高騰や地域の過疎化、そして地震と障害は多いが、営業努力を続けていくしかない」と話していました。