ガザ地区で活動のサイクリングチームの創設者 過酷な現状語る

パラリンピック出場を目指してガザ地区で活動していた片足を失った人たちのサイクリングチームの創設者がイスラエル軍による攻撃でメンバーが直面している過酷な現状についてインタビューに応じました。

パレスチナ出身で、現在ロンドンに住んでいるカリム・アリさんは、イスラエル軍による攻撃で片足を失った人たちによるパラサイクリングチーム「ガザ・サンバーズ」を3年前に立ち上げました。

メンバーは20人で、来年パリで行われるパラリンピックの出場を目指して、毎日のように練習を重ねていたといいます。

しかし、10月7日以降のイスラエル軍の空爆で、ほぼ全員が家を失い、なかには攻撃が激化するガザ市内から動けないメンバーもいるということです。

メンバーの1人は妹とその子どもたちが空爆の犠牲となり、妹の遺体は見つかったものの、子どもたち2人についてはそれぞれの腕と足しか見つからなかったといいます。

また別のメンバーは隣の家が空爆を受け、がれきの下から隣人や子どもを救い出そうとしたものの、すでに亡くなっていたということです。

空爆されるおそれもあるなか、メンバーたちは食料や毛布などをガザ地区の人々に配布する活動をできるかぎり続けていきたいとしています。

アリさんは「アスリートたちと電話をしていて、隣の家に爆弾が落ちる音がして数時間連絡が取れなくなることもあった。飢えに苦しんでいるとの電話もあった。誰もが家族や愛する人を失っている。状況は日に日に悪化していてこのままでは生き残れない。国際社会が介入する必要がある」と話し、一刻も早い停戦を訴えていました。