佳子さま ペルー公式訪問 外交関係樹立150周年の記念式典出席

南米のペルーを公式訪問している秋篠宮ご夫妻の次女の佳子さまは、首都リマで、外交関係樹立150周年の記念式典に出席されました。

搭乗した民間機の機体トラブルのため、予定より1日遅れて現地時間の2日深夜にペルーに到着した佳子さまは、翌3日正午ごろ、着物姿でリマの旧市街にある外務省を訪ね、日本とペルーが外交関係樹立から150年の節目を迎えたことを記念する式典に臨まれました。

式典では、イゲラス外務副大臣の歓迎のあいさつに続いて、佳子さまがスピーチに立ち、先に訪問した秋篠宮ご夫妻と姉の小室眞子さんから、折に触れてペルーの思い出を聞いていたことに触れたうえで、「家にはペルーの本やアルパカのぬいぐるみがあり、ペルーの音楽を楽しむ機会も多くありました。私もペルーに親しみを感じ、いつか訪れたいと願っておりましたので、今回訪問が叶い大変嬉しく思います」と述べられました。

そのうえで、ペルーは日本にとって中南米諸国の中で最初に外交関係を結んだ国で、南米諸国の中で、はじめて日本人が組織的な移住を行った国であることなどを踏まえ、「今回の訪問を通して、両国の歩んできた歴史に思いを馳せるとともに、それぞれの訪問先でお会いする方々と交流を深め、ペルーの魅力やすばらしさをより深く知りたいと思います」と述べられました。

このあと、世界遺産に登録されているマチュピチュ遺跡と和歌山県の熊野那智大社がデザインされた外交関係樹立150周年の記念切手がお披露目され、除幕を行った佳子さまは、関係者とともに大きな拍手を送られていました。

佳子さまは、翌4日にマチュピチュを訪問されます。

現地の日系人と交流も

佳子さまは、外交関係樹立150周年の記念式典に先立って、現地時間の3日午前、リマにある日秘文化会館を訪問し、両国の国旗を持った子どもたちの歓迎を受けられました。

この施設は、ペルー日系人協会が運営していて、1967年の開館式には当時皇太子夫妻だった上皇ご夫妻が出席されました。

敷地内の日本庭園には、上皇ご夫妻や秋篠宮ご夫妻らなどが植えられた松の木があり、佳子さまは、姉の小室眞子さんが4年前に植えた松の近くに記念植樹されました。

そして、協会の幹部らと懇談し、87年前に沖縄から現地に渡った日系一世で104歳の新垣カマドさんに、「お会いできて本当にうれしいです。どうぞお元気でお過ごしください」などと、ことばをかけられました。

佳子さまは、車椅子に座る新垣さんの目線にあわせて体をかがめ、手を握りながら、ペルーに渡ってからの苦労話などに耳を傾けられていました。

新垣さんは、懇談のあと「ペルーに来た皇族に初めて間近でお目にかかれました。本当にうれしいです」と話していました。

このあと佳子さまは、ホールで開かれた記念の行事に臨み、およそ60人の日系人らを前に、「日本から移住された方々とそのご子孫が、その後、幾多の困難や哀しみを乗り越え、誠実に、勤勉に、お互いに助け合いながら日々を過ごしてこられたことを、そして、ペルー社会から信頼を得ながら、ペルー社会に貢献してこられたことを、改めて心に刻み、これからもしっかりと心にとどめてまいります」とおことばを述べられました。