プーチン大統領 ウクライナ占領地域の既成事実化急ぐ考え示す

ウクライナ軍が反転攻勢を開始して5か月となるものの、こう着した状況が続く中、ロシアのプーチン大統領は、占領地域の既成事実化を急ぐ考えを示しました。

ロシア軍は、ウクライナ東部ドネツク州の拠点アウディーイウカの掌握をねらって、兵士の犠牲もいとわず攻撃を繰り返す一方、ウクライナ軍は南部のザポリージャ州などで反転攻勢を続けています。

イギリス国防省は3日、アウディーイウカ周辺ではロシア軍の攻撃がウクライナ側の強固な防衛に阻まれている一方で、南部では逆にウクライナ軍の部隊が、ロシア側が周到に準備した防御陣地でとどまっていると指摘しました。

その背景として、双方とも防空能力を維持していることや、1200キロに及ぶ戦線を維持するために大半の兵力が必要となり、突破口を開く部隊の編成に苦労していることを挙げています。

ウクライナがことし6月に反転攻勢を開始して5か月となるものの、こう着した状況が続く中、ロシアのプーチン大統領は3日、首都モスクワで政府の諮問機関との会合を開きました。

この中でプーチン大統領は、去年9月に一方的に併合を宣言したドネツク州やザポリージャ州などウクライナ東部と南部の4つの州について、「住民がロシア領になった恩恵をできるだけ早く実感できるようにすべきだ」と述べ、占領地域の既成事実化を急ぐ考えを示しました。

また、9年前にウクライナ南部クリミアを一方的に併合したことにも触れ、「ウクライナときょうだいのような関係ができていれば、クリミアに関連するような行動など誰も思い浮かばなかっただろう」と主張しました。