囲碁「名人戦」 芝野二冠が井山二冠に勝ち タイトル初防衛

囲碁の七大タイトルの1つ「名人戦」の七番勝負で、タイトルを持つ芝野虎丸二冠(23)が、挑戦者の井山裕太二冠(34)に勝ち、名人のタイトルを初めて防衛しました。

囲碁の七大タイトルの1つ「名人戦」の七番勝負は、タイトルを持つ芝野虎丸二冠が挑戦者の井山裕太二冠にこれまで3勝2敗で、タイトル防衛まであと1勝としていました。

神奈川県箱根町で行われた第6局、2日目の3日は、後手で白番の井山二冠がリードする展開となりましたが、その後、先手で黒番の芝野二冠が逆転し、午後7時48分、芝野二冠が243手までで中押し勝ちし、4勝2敗で名人のタイトルを初めて防衛しました。

対局後、芝野二冠は「1日目で形勢を悪くしてしまったので、きょうはいろんな手をどんどん打っていった。今回の名人戦は苦しい対局が多くなってしまったが、結果として防衛できたのはよかった」と話しました。

一方、敗れた井山二冠は「形勢は悪くないと思っていたが、方針が定まらずに自分からミスしてしまったと感じている。次の囲碁に向けて、気持ちを切り替えて準備していきたい」と話していました。

芝野二冠「運がよかったとしか言いようがない」

「名人戦」でタイトルの初防衛を果たした芝野二冠は、対局後に会見に臨み、「初防衛できたのは自分にとって大きなことだと思うが、今回は運がよかったとしか言いようがない。今回の名人戦は内容的にまずい対局が多くなってしまっていたので、初防衛できた実感はまだわいていないが、苦しい中で粘れたのはよかった」と話していました。

そして、第4局と第5局で2連敗したことについて、「正直なところ第4局で負けたことで、第5局は気持ち的に押され気味だったと思う。負けを引きずってしまうところがあったので、第5局から第6局までの間の1週間は少し囲碁から離れた。その結果、気持ちを切り替えて前向きになれたと思う」と振り返っていました。

今後の目標については、「調子がいいとは言えない状況なので、タイトルを増やすのはもちろん目標だが、目の前の対局を1つずつしっかり戦っていきたい」と意気込みを語りました。