トヨタ 4~9月のグループ決算 過去最高益で業績見通し上方修正

トヨタ自動車のことし4月から9月までのグループ全体の決算は、営業利益と最終的な利益が前の年の同じ時期と比べて2倍以上に拡大し、いずれも2兆円を超えて、この時期として過去最高となりました。今年度1年間の営業利益の見通しについても、4兆5000億円に上方修正しました。

トヨタ自動車は、ことし4月から9月までのグループ全体の決算を発表し、
▽売り上げにあたる営業収益は、前の年の同じ時期より24%増えて21兆9816億円
▽本業のもうけを示す営業利益は、前の年の同じ時期の2.2倍に拡大し、2兆5592億円となりました。

▽最終的な利益も、前の年の同じ時期と比べて2.2倍に増えて2兆5894億円となりました。

いずれも、この時期として過去最高となっています。

販売面では、アメリカやヨーロッパ、それに日本などで好調だったことが業績が伸びた大きな要因となっています。

一方、中国では、販売台数は前年並みを維持したものの、激しい価格競争の影響で販売費用が増加したことなどから減益となりました。

また、原材料価格の高騰で、前の年の同じ時期と比べて営業利益を3150億円押し下げましたが、
▽円安による効果で2600億円
▽生産コストなどの見直しで2050億円
それぞれ利益を押し上げました。

一方、今年度1年間の業績見通しについては、
▽営業収益は、これまでの38兆円を43兆円に、
▽営業利益は、これまでの3兆円を4兆5000億円に、
それぞれ上方修正しました。

宮崎副社長「今年度もまだ半分 楽観はできない」

トヨタ自動車の宮崎洋一副社長は、記者会見で「決して、この収益をわれわれのために使うのではなく、日本の自動車産業をどう変えていくか、どう新たなモビリティビジネスを切り開いていくかに投資しながら還元していきたい」と述べました。

そのうえで、「いま大変いい形で来ているが、今年度もまだ半分だ。中国のマーケットの構造変化や、タイやベトナムでもマーケットそのものが変調をきたしていて、楽観はできないと思う」と述べました。

一方、中国事業については、「中国はEV中心のマーケットが伸びていて、販売環境では大変厳しく、価格競争が起きている。シェアを維持する計画で進めていて、いまは確保できているので、今後もその前提でビジネスを進めたい」と述べました。

山本経理本部長「為替は安定推移が望ましい」

トヨタ自動車の山本正裕経理本部長は1日の決算会見で、為替の変動について、「以前、円高のときには海外に移転するのではなく、しっかり国内に生産拠点を作って雇用を生み出し、地域に貢献することを続けてきた。今だと円安の効果で増益になるということはあるが、サプライチェーン全体で見ると、円安がプラスになるところと、マイナスになるところと、いろいろあり、やはり為替は安定推移することが望ましい」と述べました。