住宅街にイノシシ 5人けが 約6時間後に猟友会が捕獲 愛媛 松山

11月1日午前、松山市の住宅街にイノシシが出没し、かまれたり体当たりされるなどして合わせて5人がけがをしました。イノシシは用水路を逃げ回っていましたが、およそ6時間後に駆けつけた猟友会によって捕獲されました。

11月1日午前10時ごろ、松山市高浜町1丁目の路上でイノシシを目撃したという通報が警察にありました。

警察によりますと、午前10時40分ごろ松山市新浜町の路上で、60代の男性がイノシシに体当たりされて足にけがをしました。

その10分後、近くの住宅の庭先で、水やりをしていた70代の女性が右足をかまれ、さらに路上にいた60代の男性も右足をかまれてけがをしました。

また、消防によりますと、このほかにも近くにいた60代の女性と1歳の男の子がイノシシに驚くなどして転倒して搬送されたということで、合わせて5人が軽いけがをしたということです。

イノシシは体長1メートルほどで、警察官や市の職員らが用水路に追い詰めて、目撃からおよそ6時間後の午後4時すぎに地元の猟友会が捕獲しました。

現場はJR三津浜駅の近くの住宅街で、近くの小学校では集団下校の対応をとるなど、周辺は一時、騒然としました。

専門家 “遭遇したら刺激せず静かに離れて”

鳥獣被害の対策に取り組む兵庫県の企業「野生鳥獣対策連携センター」の阿部豪さんによりますと、秋はイノシシが栗や柿などを求めて山から市街地に降りてくることが多いということです。

一般的に、イノシシの目撃件数は、餌となるどんぐりの実りに影響し、実りが少ない年は、イノシシが人間の食べ物に依存しようとするため、市街地に出没する確率が増えるということです。

イノシシは、人間に対しての警戒心も強いため、ラジオをかけたり鈴を鳴らしたりすることで、遭遇するリスクを減らせるということです。

遭遇した場合は、急に走り出したり大きな声を出したりすると、イノシシを刺激して襲ってくる可能性があり、静かにゆっくりと後ずさりをしてその場から離れることが大切だということです。

イノシシにかまれた70代の女性は、自宅の庭先で花に水をやっていたところ、突然、数メートル先にイノシシが現れ、足元に向かって突進してきたということです。

女性は「まさかこんなところでイノシシに遭遇するとは思わなかった。一瞬のことでどうしたらいいかわからなかった」と話していました。