政府 フィリピンに「OSA」適用し監視用レーダーなど供与で調整

政府は、海洋進出を強める中国と対立するフィリピンに対し、同志国の軍に防衛装備品などを提供する新たな枠組み、OSAを適用し、海洋の監視用レーダーなどを供与する方向で調整しています。適用されれば初めてとなります。

OSA=「政府安全保障能力強化支援」は同志国との間で安全保障分野での協力を深めるため、防衛装備品などを提供する新しい枠組みで、政府がことし4月に創設し、対象国などの選定を進めてきました。

関係者によりますと、政府はOSAを、南シナ海で領有権をめぐって中国と対立するフィリピンに適用し、海洋の監視用レーダーなどを供与する方向で調整しています。

適用されれば初めてとなります。

また政府は、自衛隊とフィリピン軍が共同訓練を行う際などの対応をあらかじめ取り決めておく「円滑化協定」の締結に向けて、両国での交渉に入ることも検討しています。

政府としては、中国の海洋進出に対し危機感を共有するフィリピンとの間で、連携を強化するねらいがあり、3日岸田総理大臣がフィリピンを訪れて行われるマルコス大統領との首脳会談で、詰めの協議が行われる見通しです。