参院予算委 柿沢法務副大臣の出席めぐり 自民と立民が対応協議

辞表を提出した柿沢法務副大臣の参議院予算委員会への出席をめぐり、自民党と立憲民主党の参議院の国会対策委員長が会談し、対応を協議しました。予算委員会は理事会がまもなく再開される見通しです。

東京 江東区の区長の陣営が選挙期間中に動画投稿サイトに投票を呼びかける有料広告を出していたとして、東京地検特捜部から公職選挙法違反の疑いで捜索された事件をめぐり、柿沢法務副大臣は、有料広告の利用を提案したことの責任をとりたいとして辞表を提出しました。

これに先立って31日朝開かれた参議院予算委員会の理事会では、立憲民主党が柿沢副大臣の委員会への出席を求め、合意していました。

しかし、午前中の予算委員会に柿沢副大臣が出席しなかったため、野党側が反発し、正午前から休憩となりました。

これを受けて、自民党の野上 参議院国会対策委員長と立憲民主党の斎藤 参議院国会対策委員長が午後1時前から対応を協議しました。

この中で斎藤氏は、柿沢副大臣の問題などを踏まえ、衆参両院で集中的な審議を行うよう提案し、野上氏は前向きに調整する考えを伝えました。

これを受けて、予算委員会はまもなく理事会が再開される見通しです。

一方、辞表を提出した柿沢副大臣について、政府は持ち回りで閣議を行い、辞任を認めることを決めました。

参院予算委 休憩への経緯

参議院予算委員会は、31日午前中の質疑に先立って開かれた理事会で、立憲民主党が柿沢法務副大臣の出席を求め与野党が合意しました。

そして午前9時から予定どおり質疑が行われましたが、正午前に、柿沢氏の出席を求めていた杉尾秀哉議員の質疑の順番がきても、柿沢氏が委員会室に現れなかったことから、野党側が反発して、委員会は休憩となりました。

杉尾氏は記者団に対し「質問通告をして理事会で法務副大臣が答弁者として認められたにもかかわらず、本人が出てこず、午前中の私の質疑ができなかったのは極めて遺憾だ。強く抗議せざるをえない」と述べました。

その上で「あろうことか法の執行をつかさどる立場の法務副大臣が、こんな形で法に触れる行為をして問題になっているので、本人の口から説明してもらわなければならない。口を封じるかのような法務省や与党側の対応は絶対に認めることはできず、立法府軽視も甚だしい」と述べました。

午後の質疑前の理事会では

参議院予算委員会は、午後の質疑に先立って開かれた理事会で、柿沢法務副大臣の辞任を受けた対応について協議しました。

この中で自民党は、与野党で合意していたにもかかわらず、柿沢氏が委員会に出席しなかったことは、与党として遺憾だという認識を示しました。

これに対し、立憲民主党は、「委員会で決定した副大臣の出席が果たされなかったことは、極めて重大な問題だ。岸田総理大臣が説明するのは当然だが、柿沢氏本人が説明責任を果たす必要がある」などと主張しました。

また、共産党は、法務省が副大臣を出席させなかったとして、対応を批判しました。

このあと末松委員長は「与野党で要請した副大臣が委員会に出席しないのは、国民への裏切りと言って差し支えない。法務省は二度と委員会の権威を落とさないようにしてもらいたい」と苦言を呈しました。