富山 クマが女性2人襲い頭けが 逃げ込んだ住宅 玄関の戸破る

31日午前、富山市の住宅で70代と30代の女性2人がクマに襲われて頭などにケガをしました。クマは、2人が逃げ込んだ住宅のガラス戸を破って侵入し襲ってきたということで、富山県が注意を呼びかけています。

31日午前11時ごろ、富山市加納の住宅で75歳と37歳の女性2人がクマに襲われました。

警察や消防によりますと、このうち75歳の女性は、頭の付近から出血があったほか、37歳の女性は鎖骨を折る大けがをして病院に搬送され、いずれも搬送時には意識があったということです。

富山県によりますと、2人は、別のもう1人とともに住宅前の路上にいたところクマに遭遇し、住宅内に逃げ込みましたが、クマが玄関のガラス戸を破って侵入し、襲われたということです。

クマは2人を襲ったあと、南の方角へ逃げていったということで、警察などがパトロールをして付近の住民に注意を呼びかけています。

現場は、市内を流れる神通川の近くで、JR高山本線の笹津駅から北に2.5キロほどの場所です。

県によりますと、10月に入ってからの県内でのクマの出没情報は、31日午後2時までに合わせて243件にのぼり、去年10月の10倍余りとなっています。

また、県内ではことし、31日のケースを除いて、これまでに5人がクマに襲われ、このうち79歳の女性1人が死亡したほか、4人がけがをしています。

県は近くでクマの出没情報がある場合は、不要不急の外出を控えることや、玄関や庭を確認してから外に出ることなど、注意を呼びかけています。

クマを目撃した人は

近くに住む50代の女性は「外で洗濯物を干していたら、クマが田んぼを走る様子を見ました。クマが走る速さに驚き、怖くて声が出なかったです。この辺りでクマは初めて見ました」と話していました。

また、近くで工事をしていた30代の男性は「クマが家の裏から出てきて、玄関に向かう様子を目撃して警察に通報しました。キャーという悲鳴も聞こえて、そのあとクマが南に走る様子を見ました。実際目の前で見て怖く、気をつけなければいけないと思いました」と話していました。