ロシア軍 ウクライナ東部拠点に戦力集中 激しい攻防続く

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、東部ドネツク州の拠点、アウディーイウカの戦闘におよそ4万人の兵士を配置するなど戦力を集中させているとみられ、これに抵抗するウクライナ軍との間で激しい攻防が続いています。

ロシア軍は10月に入って、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点、アウディーイウカの掌握をねらって攻勢を強めています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は29日、「ロシア軍はアウディーイウカ周辺におよそ4万人を配置し、追加の兵員も送っている」として、多くの戦力を集中させていると分析しました。

一方、ウクライナ軍は30日、アウディーイウカの戦闘でロシア軍のスホイ戦闘機などこれまでに6機の軍用機を撃墜したと発表するなど、ロシア側にも多くの死傷者が出ていると指摘されていて、激しい攻防が続いています。

領土奪還を目指すウクライナ軍は、南部の州で引き続き反転攻勢に出ています。

このうちヘルソン州では、州内を流れるドニプロ川でロシア側が占領する東岸に部隊が渡り、作戦を展開しているとみられています。

こうした中、ロシアの複数のメディアは29日、ロシア軍がヘルソン州方面で指揮をとる現地の司令官を交代させ、精鋭とされる空てい部隊のテプリンスキー司令官が新たに任命されたとみられると伝えました。

これについて、ロシア国防省などは発表していませんが、「戦争研究所」は「クレムリンやロシア軍の指導部は、ヘルソン州でウクライナ側の反転攻勢に対応できていないと懸念している可能性がある」と分析しています。