全国初の発達障害などある若年受刑者収容の刑務所 千葉 市原

発達障害や知的障害などがある若い受刑者だけを収容し、社会復帰の支援にも重点を置く刑務所が、全国で初めて千葉県市原市に設けられました。

「市原青年矯正センター」は、ことし4月まで少年院だった施設を改修して新たに設けられ、発達障害や知的障害、情緒障害などがある16歳からおおむね26歳未満の男性の受刑者を受け入れます。

来月から収容が始まるのを前に30日式典が開かれ、柿沢法務副大臣が「センターで一丸となって、若年受刑者の改善更生をはかることを期待する」とあいさつしました。

障害のある受刑者は、出所後に福祉サービスにつながらずに就労などで苦労するケースがあることから、この施設では、刑務作業だけでなく社会復帰の支援にも重点を置いています。

定員は全国の刑務所で最も少ない72人で、それぞれに個室が与えられ、部屋の出入りを自由にしてできるだけ社会に近い環境を整えています。

さらに、個人の障害や特性に応じた矯正が行われている少年院のプログラムも適用して矯正を後押しするほか、社会福祉士などの資格を持つ専門のスタッフも配置されています。

「市原青年矯正センター」の合田直之センター長は「受刑者を手厚く処遇することになりますが、出所したあと再犯に至らないことは社会全体のためになると認識し、矯正に取り組んでいく」と話しています。

開設の経緯

発達障害や知的障害といった個人の障害や特性に応じた矯正教育は、これまで少年院のみで行われてきました。

しかし近年、刑務所でもこうした障害や特性のある若い世代の受刑者に対して充実した処遇を行う必要があると指摘され、市原青年矯正センターの開設につながりました。

センターでは少年院の矯正教育のノウハウや施設を活用し、社会生活に必要な生活習慣や対人関係などを習得させるための指導を行います。