中国で安全保障テーマの国際会議始まる 米側と接触あるか注目

中国で安全保障がテーマの国際会議が29日から始まりました。アメリカの国防総省の代表団も参加する見通しで、両国の国防当局どうしの対話が滞る中、接触があるのか、注目されています。

安全保障がテーマの国際会議は、中国軍の関係団体が主催し、29日から3日間、首都・北京で開かれます。

会議にはアメリカやロシアなど90余りの国や国際機関から国防相などが出席する予定で、29日は中国や外国の軍事専門家による講演などが行われました。

会議を前に28日、中国軍を統括する「中央軍事委員会」の張又侠 副主席と何衛東 副主席がベトナムやモンゴルなどの国防相と会談しました。

今月24日に李尚福 前国防相が解任され、後任の不在が続く中、制服組トップの2人が軍の外交を担っているとみられ、30日の開会式で、これまで国防相が行ってきた演説をいずれかが担当する可能性も出ています。

また、会議にはアメリカ国防総省の代表団が参加する見通しですが、李前国防相に対するアメリカの制裁に中国が反発し、国防当局どうしの対話は滞っています。

米中両国はこのところ戦闘機や艦艇などが南シナ海で接近し、非難の応酬にもなっていて、会議で国防当局どうしの接触があるのか注目されています。

中国軍関係者 ハイレベルでの対話再開に期待示す

中国軍のシンクタンク、軍事科学院で副院長を務めた何雷氏は、会場でメディアの取材に応じ、今回の会議にアメリカが代表団を派遣したことを評価したうえで、「アメリカとの軍の関係はほかの分野と比べ回復が遅れていると思うが、双方が努力し、できるだけ早く関係が正常な軌道に戻るよう願っている」と述べ、国防当局間のハイレベルでの対話再開に期待を示しました。