東京 江東区 木村弥生区長が区長を辞職する意向

東京 江東区の木村弥生区長は、公職選挙法違反の疑いで東京地検特捜部に関係先を捜索されたことを受けて、区長を辞職する意向を明らかにしました。疑いについては、捜査中を理由に答えませんでした。

江東区の木村弥生区長は、ことし4月の区長選挙で初当選しましたが、選挙期間中、陣営がYouTubeに本人の姿や「木村やよいに投票してください」という文字を組み合わせた有料広告を出していました。

公職選挙法は、選挙期間中にインターネット上の有料広告で候補者名などを表示して選挙活動を行うことを禁じていて東京地検特捜部が、24日、公職選挙法違反の疑いで区役所の区長室などを捜索し、本人も任意で事情聴取を受けていました。

木村区長は、26日午後、臨時の会見を開き「このあとも事情聴取など捜査が進む中で、新年度予算の編成など重要な区政を、これ以上、混乱・停滞させてはならないと考えた」と述べ、辞職する意向を明らかにしました。

また、就任からおよそ半年で辞職することについては、「投票した方、区民の皆様に、多大な迷惑をおかけしました。多くの期待をしてもらいながら辞職することになり誠に申し訳ございません」と陳謝しました。

一方、公職選挙法違反の疑いについては「捜査中なので差し控える。捜査への協力を第一に考えている」と述べるにとどまり、詳しい説明はしませんでした。

ネット上の選挙運動のための「有料広告」 なぜ禁止

選挙期間中のネットの活用については、平成25年に公職選挙法が改正され、候補者や政党などはホームページやSNS、動画投稿サイトなどで選挙運動をすることができます。

ただ、インターネット上の選挙運動のための「有料広告」については、候補者名や政党名などを表示することが禁じられていて、総務省はその理由について、利用が過熱すれば金のかかる選挙につながるおそれがあるとしています。

江東区議会 山本議長「全容解明を望んでいる」

江東区議会の山本香代子議長は、木村区長の辞職届を受理したあと、報道陣の取材に応じ「これからまさに来年度予算を作っていこうという時期に、戸惑っています。全容解明を望んでいますし、二度とこのようなことがないようにしてほしいです。議会としても今後しっかり取り組まないといけないと改めて感じています」と述べました。

区民からは驚きなどの声

江東区の木村区長が辞職する意向を表明したことについて、区民からは驚きや残念がる声が聞かれました。

70代の女性は「赤ちゃんポストの施策がいいと思って区長選挙は木村さんに投票しました。辞めるのは残念で、周りのスタッフが違反にならないようしっかりすべきだったと思います。また区長選挙をやることでたくさん税金がかかるのも残念に思います」と話していました。

また、別の女性は「先日のニュースだとスタッフが違反をしたという話だったので、区長が辞めるというのは驚きました。辞職をみずから表明したのは自分が違反をしたと認めたようなものだと思います。違反していないなら辞めなくてよかったのではと思います」と話していました。

80代の男性は「辞めるのは当然だと思います。悪いことをしたと思うなら辞めていただきたい。新しい区長に期待することは特にありません」と話していました。

区長選挙は年内の見通し

江東区によりますと、木村区長の辞職届は、26日夕方、副区長が代理で区議会議長に提出し、辞職は来月15日付けになるということです。

区の選挙管理委員会によりますと、区長選挙は、選挙管理委員会が辞職の通知を受けた日から50日以内に行われるということで、年内に区長選挙が行われる見通しです。