“人質50人の解放について協議も交渉が暗礁に” 米有力紙

イスラエル軍とイスラム組織ハマスによる大規模な衝突が続くなか、ハマスは23日、エジプトによる仲介を受けて、2人の人質を解放したと発表しました。
一方、アメリカの有力紙は、人質50人の解放について協議が行われたものの、ハマス側が燃料の提供を要求したのに対しイスラエル側が難色を示し、交渉が暗礁に乗り上げたと伝えています。

ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは23日、エジプトによる仲介を受けて、ガザ地区で拘束している外国人を含む200人以上の人質のうち2人を解放したと発表しました。

イスラエルのメディアによりますと2人はハマスによる襲撃を受けたイスラエル南部に住む85歳と79歳の高齢の女性で、ICRC=赤十字国際委員会も解放を手助けしたとSNSで発表しました。

人質の解放は今月20日の、アメリカ国籍を持つ親子2人に続いて2回目です。

一方、人質の解放をめぐってアメリカやイスラエルの一部メディアはおよそ50人の解放に向け協議が行われたと23日、伝えました。

このうち、アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは、交渉に詳しい関係者の話として、人質50人の解放に向け協議が行われたものの、交渉が暗礁に乗り上げたと伝えました。

それによりますとハマス、カタール、エジプト、そしてイスラエルの間で、ここ数日、燃料を含む人道支援を安定的にガザ地区に供給する見返りに、多くの人質を解放するという提案について協議が行われてきたということです。

ただイスラエル側はハマスが燃料を軍事目的に流用する可能性があると懸念し、燃料の搬入を承認しなかったとしています。

イスラエル軍は大規模な地上侵攻に乗り出す構えを崩しておらず、23日にはガザ地区内で限定的な軍事作戦を行ったことを明らかにするなど現地では緊張した状態が続いています。

今月7日以降のイスラエルとハマスとの一連の衝突では、イスラエル側で少なくとも1400人が、ガザ地区では5087人が死亡し双方の死者は6400人を超えています。