イスラエル元高官 “政府 侵攻開始の時期を冷静に見極め”

イスラエル軍がガザ地区への地上侵攻を示唆する中、イスラエル政府の元高官が21日、NHKのインタビューに応じ、侵攻は間近に迫っているという見通しを示したうえで、イスラエル政府が侵攻開始の時期を冷静に見極めているという見方を示しました。

NHKのインタビューに応じたのは、イスラエルの国家安全保障会議のトップをことし1月まで務めていたエヤル・フラタ氏です。

フラタ氏はイスラエル軍が示唆するガザ地区への地上侵攻について、「イスラエルの市民だけでなく、政府内でもハマスに対する大きな怒りがあるが、政府は冷静な意思決定をしている。軍は注意深く準備をしていて、向こう見ずな判断はしていない」と述べました。

そのうえで、「地上作戦は間近に迫っている。イスラエル軍は効果的かつ積極的に動いている」として、ハマスの能力や装備などを分析し、侵攻開始の時期を冷静に見極めているという見方を示しました。

また、フラタ氏は「イスラエルにガザを占領しようという意志はない。しかし、ガザがテロリストや過激派、また、ハマスのようにユダヤ教徒やイスラエル市民の殺害を優先する者に統治されないようにしなければならない」と述べ、ハマスを排除し、イスラエル市民の安全を確保することが最大の優先課題だと強調しました。

さらに、「地上作戦はガザ地区の市民の犠牲を最小限にとどめるものでなければならない」と述べ、ガザ地区の市民の犠牲を望んでいないとも述べました。

一方で、「イスラエル政府はどれだけ時間がかかろうとも目的を達成することに対して市民の支持を得ている。イスラエル軍はできるだけ迅速に効果的に作戦をやり遂げると信じているが、事態がどう動くか注視する必要がある」と述べて、地上侵攻が始まった場合、長期にわたって続く可能性があるという見方も示しました。