服部良一さん作曲 “靴磨き少年のブギウギ” レコード見つかる

大ヒットした「東京ブギウギ」の作曲者で、昭和を代表する音楽家、服部良一さんが、終戦後、靴磨きをしながら生きる少年を主人公にした歌詞に曲をつけた、ブギウギのレコードが見つかり、専門家は、服部さんが多様なテーマでブギウギを手がけていたことを物語っていると指摘しています。

「青い山脈」など数々の名曲で知られる、昭和を代表する音楽家、服部良一さんは、「ブギウギ」と呼ばれる軽快なリズムと躍動感のある旋律が特徴の曲も手がけ、1948年に発売された、笠置シヅ子さんが歌う「東京ブギウギ」は大ヒットしました。

見つかったのはその翌年の1949年に発売された「シューシャイン ブギ」のレコードです。

終戦後、靴磨きをしながら生きる少年が主人公で、「おいらの生まれは焼け野原」「ブギウギ小僧の靴磨き」といった歌詞に、服部さんがアップテンポの明るい曲をつけたブギウギです。

レコード文化研究家の保利透さんによりますと、服部さんは「東京ブギウギ」が人気を博して以降、「買い物ブギ」や「ジャングルブギ」などを次々と発表し、録音したものの多くはレコード会社に保管されていました。

しかし、この「シューシャイン ブギ」については、発売の記録はあったものの、録音は残っていなかったということです。

レコードは数年前に収集家がインターネットオークションで見つけたということですが、音楽会社によって本物と確認されたことなどから、発売から74年を経て、CDで復刻されました。

保利さんは、服部さんが終戦後、たくましく生きる人たちの姿などからも着想を得ながら、多様なテーマでブギウギを作曲したことを物語っていると指摘しています。

保利さんは「今まで発売記録があったが、どういう曲なのかは、今回、レコードを発見して初めて聞いて驚いた。非常に荒々しい感じのリズムとメロディーが服部さんらしい。服部さんには『ひとつのことをやったらもっとおもしろいことができるんじゃないか』といった発想があったと思うので、オリジナルの東京ブギウギから発展する過程がみてとれる」と感想を語りました。

その上で「終戦の直後からだんだん日本が活力を見いだしていく、元気のようなものが、音楽にも表現されているのではないか」と話しています。