ロシア議会下院 CTBTの批准の撤回可決 米などへけん制強めるか

ロシアの議会下院は、CTBT=包括的核実験禁止条約の批准の撤回について可決し、ウクライナ侵攻で対立を深めるアメリカなどへのけん制を一段と強めるねらいがあるとみられます。

ロシアのプーチン大統領は今月5日、CTBTの批准を撤回する可能性を示唆しました。

これを受けて、批准の撤回をめぐり議会で審議が進められていましたが、このうち下院では18日、撤回について出席した議員の全会一致で可決されました。

議会上院も早ければ今月25日に審議が行われる見通しを示していて、ロシアは、2000年に行っていたCTBTの批准を撤回するとみられます。

ロシア側はこれまで、アメリカがCTBTに批准していないことに触れて、アメリカと均衡を保つ必要があるという考えを強調していました。

プーチン政権は、ロシア軍が核戦力を使用する可能性も辞さない姿勢を示して威嚇を繰り返してきましたが、CTBTの批准を撤回することで核実験を再開する可能性も示し、ウクライナ侵攻で対立を深めるアメリカなどへのけん制を一段と強めるねらいがあるとみられます。