習近平国家主席とプーチン大統領 中ロ首脳会談 両国の結束確認

中国の習近平国家主席は、ウクライナ侵攻後初めて中国を訪れているロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、両首脳は共に対立するアメリカを念頭に両国の結束を確認しました。

中国の習近平国家主席と、巨大経済圏構想「一帯一路」の国際フォーラムにあわせて中国を訪れているロシアのプーチン大統領の首脳会談は、北京の人民大会堂で日本時間の18日午後1時前に始まりました。

習主席「両国の政治的な相互信頼はたえず深まっている」

国営の中国中央テレビによりますと、会談の冒頭で習主席はプーチン大統領を「古くからの友人」と呼んだ上で「一帯一路」のフォーラムに毎回出席していることに触れ、「ロシア側の支持を示している」と評価しました。そして「両国の政治的な相互信頼はたえず深まっている。中国はロシアとともに大国の責任を果たし、世界の発展の促進に貢献していきたい」と述べ、対立するアメリカを念頭にロシアとの協力関係をアピールしました。

プーチン大統領「現在の状況において 緊密な協力 特に必要」

これに対し、プーチン大統領は「2国間の貿易額を年間2000億ドルに到達させるという目標は、ことし確実に超えられる。現在の困難な状況においては緊密な協力が特に必要であり、まさにわれわれが行っていることだ」などと述べ、中国との関係はこれまでになく深まっていると強調しました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は国営のタス通信に対し、その後、少人数形式での会談が行われていてさらに、通訳だけを交えた1対1の形式でも行われる見通しを示しました。

プーチン大統領の中国訪問はウクライナ侵攻後初めてで、会談では、ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢のほか、エネルギーや金融分野の協力などについても意見が交わされる見通しで、共に対立するアメリカを念頭に両国の連携をいっそう強化する方針が打ち出されるとみられます。

プーチン大統領「共通の外的脅威 ロシアと中国の交流を強める」

中国の北京を訪問しているロシアのプーチン大統領は記者団に対して習近平国家主席との会談について、およそ3時間にわたって、2国間関係のほか、ウクライナ情勢や、イスラエル・パレスチナ情勢など中東の問題について意見を交わしたと明らかにしました。

そして「共通の外的な脅威は、ロシアと中国の交流を強めることになる」と述べ、中国との関係をいっそう強化していくと、対立するアメリカなどをけん制しました。

プーチン大統領 ガザ地区病院爆発「恐ろしい悲劇であり大惨事」

中国の北京を訪問しているロシアのプーチン大統領は記者団に対して、イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区の病院で爆発が起き、多数の死傷者が出たことについて「恐ろしい悲劇であり、大惨事だ。紛争をできるだけ早く終わらせる必要があるというシグナルになることを心から願う。この問題で何らかの接触や交渉を行っていく必要がある」と述べました。