“必要額の40%ほどしか集まらず” UNHCR ロヒンギャ支援訴え

ミャンマーから逃れ、隣国バングラデシュなどで避難生活を送るイスラム教徒の少数派、ロヒンギャの人たちへの支援について、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は、世界の関心がウクライナなどへ向けられ、必要な資金の40%ほどしか集まっていないとして国際社会に改めて支援を訴えました。

UNHCRはロヒンギャの人たちへの支援について議論する初めての高官級の会議をタイの首都バンコクで17日に開き、バングラデシュのモメン外相や、アメリカやイギリスの政府高官などが出席しました。

グランディ難民高等弁務官は会見で、「世界の関心と人道援助の資金はウクライナや中東など主要な危機に向けられている。ロヒンギャの人たちへのことし必要な支援額は40%ほどしか集まっていない。国際社会はこの危機を忘れるべきではない」と述べ、改めて支援を訴えました。

ロヒンギャの人たちをめぐっては、2017年にミャンマー西部で起きた軍による掃討作戦を受けて、およそ96万人がバングラデシュへ逃れています。

グランディ難民高等弁務官はミャンマーへの帰還が進んでいないとした上で、「人々が帰還したいと望むかどうかは、ミャンマーの情勢次第だ」と述べて、クーデター以降実権をにぎる軍に対し、ロヒンギャの人たちが安心して戻ることができるよう、国際機関と協力して受け入れに向けた環境を整えるよう呼びかけました。