細田衆院議長 辞任の意向表明 “旧統一教会と特別な関係ない”

細田衆議院議長は記者会見を開き、体調不良のため議長を辞任する意向を明らかにしました。一方、旧統一教会との関係については「会合に呼ばれれば出るという程度で、特別な関係にはない」と説明しました。

細田衆議院議長は13日、議長公邸で記者会見を開き、ことし7月に脳梗塞の症状が出て別の病気も含め治療を受けていることを説明しました。

その上で「国会運営が停滞することは避けなければならず、議長を辞任することを決めた」と明らかにしました。

一方で、衆議院議員は続ける考えを示し、次の衆議院選挙の対応については「簡単に人に任せて『さようなら』というわけにはいかない」と述べ、立候補に意欲を見せました。

また、旧統一教会との関係が指摘されていることについて「会合に呼ばれれば出るという程度で、特別な関係にはない」と説明しました。

そして、文部科学省が教団に対する解散命令を裁判所に請求したことについて「政府がやったことは正しいというのが私の基本的な立場だ」と述べました。

このほか去年、女性記者などへのセクハラ疑惑が一部週刊誌で報じられたことについては「単なるうわさ話として言われていると思っており、一切覚えがない。それをセクハラだと言うのは男性に対するハラスメントではないか」と主張しました。

岸田首相「コメント控える」

岸田総理大臣は13日夜、総理大臣官邸で、記者団から「細田議長はみずからのセクハラ疑惑について『セクハラがあったという人はいない』と述べたが、認識は適切だと考えるか」と問われ「私の立場から、細田議長の会見の内容一つ一つにコメントすることは控えなければならない」と述べました。

その上で「一般論として言えば、名乗り出る人がいなければセクハラはないという考えは適切ではない」と述べました。

一方、自民党と旧統一教会との関係については「自民党の多くの国会議員が社会的に問題のある旧統一教会や関連団体と接点を有していたのが明らかになったことは、国民に対し政治の信頼を傷つけたということで、改めておわびを申し上げたい。自民党として旧統一教会や関連団体との関係遮断を徹底していきたい」と述べました。

自民 茂木幹事長「体調不良 本人の意向を尊重」

自民党の茂木幹事長は記者団に対し「体調不良ということなので本人の意向を尊重しなければならない」と述べました。

立民 安住国対委員長「納得いく回答 全くなかった」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「健康問題が理由であればやむをえない部分はあると思う。ただ、残った疑惑にはきちんと説明して退場してほしいというのが偽らざるところだ。セクハラ問題にしても旧統一教会の問題にしても納得いく回答は全くなかった」と述べました。

その上で「自民党は、細田議長と旧統一教会との関係について実態を解明しなければならない。茂木幹事長が事情を聞いた上で公表するのが筋であり、総裁である岸田総理大臣には臨時国会で聞きたい。自民党は旧統一教会と決別するため地方議員も含めて本格的に調査をしなければ、いつまでも疑惑が晴れない。臨時国会で大きな焦点にしたい」と述べました。

共産 穀田国対委員長「議院運営委員会で質疑必要」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「国民や国会が求めているのは、旧統一教会との関係とセクハラの問題についての説明だが、事実を隠蔽し、まともに答えなかった。議長として失格と言わざるをえない。旧統一教会に対する解散命令請求が出された中で、こうした態度に終始するのは言語道断で、少なくとも議院運営委員会に出席し、質疑に応じてもらうことが必要だ」と述べました。

国民 榛葉幹事長「議員継続は理屈が通らない」

国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「体調が悪いから議長の職が務まらないのに議員としては元気いっぱいというのは少し理屈が通らない。元気であれば、議長職もしっかりと務めてほしい。議長も激務だが、一般の議員も激務だ」と述べました。