くら寿司 “しょうゆさしに口” 迷惑動画などの被告に有罪判決

回転ずしチェーン大手「くら寿司」の店内でしょうゆさしに直接、口をつけたように見える動画を撮影し、SNS上に投稿したなどとして威力業務妨害などの罪に問われた21歳の被告に対し、名古屋地方裁判所は「安心して食事をしてもらおうという会社の努力を無にしかねないあまりに無分別な犯行だ」として執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。

兵庫県尼崎市の会社員、吉野凌雅被告(21)はことし2月、名古屋市内の「くら寿司」の店舗で、テーブルに置かれたしょうゆさしの注ぎ口に直接、口をつけたように見える動画を撮影してSNS上に投稿し店の業務を妨害したとして威力業務妨害の罪に問われたほか、15歳の少女を東京都内から連れ出したなどとして営利目的の誘拐の罪に問われました。

13日の判決で、名古屋地方裁判所の大村陽一裁判長は「他人の迷惑行為動画に触発されて動画を撮影しSNSに投稿したことは、安心して食事をしてもらおうという会社の努力を無にしかねないあまりに無分別な犯行で、被害弁償もなされておらず、刑事責任は重い。また自身に好意を寄せる少女に3か月近く売春をさせて生活費などを稼がせながら各地を連れ回したのは卑劣な犯行だ」などと指摘しました。

一方で「更生に向けた環境も整備されつつある」などとして懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

吉野被告「反省の気持ち大事にして過ごす」

裁判のあと、吉野被告は報道陣の取材に対し「本当にこのたびは申し訳ありませんでした。自分のなかでやってしまったことを風化させずに、罪をつぐないながらしっかり働いて、被害弁済しつつ、反省している気持ちを大事にして過ごしていこうと思います」と話していました。