過労死白書“労働時間が長くなるほど うつ病などの割合増加”

ことしの過労死白書が公表され、労働時間が長くなるほど翌朝に疲労を持ち越す頻度が増え、うつ病の疑いや不安を感じる人の割合も高くなるとする分析結果が示されました。厚生労働省は企業に対し、勤務と勤務の間に十分な休息を設けるなど働き方改革の推進を求めています。

13日、閣議決定されたことしの過労死白書では、会社員や自営業者など全国で働く9800人余りを対象に、労働時間や睡眠時間と疲労や精神状態の関係を分析した結果が示されました。

この中で、「前日の疲労を翌朝に持ち越すことがある」と答えた人の割合は、1週間の労働時間が
▽20時間以上40時間未満で53%
▽40時間以上60時間未満で60%
▽60時間以上で69%と
労働時間が長くなるほど疲労を持ち越す頻度が増えることがわかりました。

また、「翌朝に疲労をいつも持ち越している」と答えた人のうち、うつ病や不安障害の疑いがあったり、その傾向がある人の割合は82%にのぼり、疲労を持ち越す頻度が増えるほど精神状態に悪影響を及ぼすことがわかりました。

さらに、睡眠不足だと感じる感覚が大きくなるほど幸福感が下がる傾向も確認されたとして、心身の健康を保つためには十分な睡眠時間を確保し、疲労を持ち越さないことが重要だとしています。

厚生労働省は「企業には勤務の間に休息を設ける勤務間インターバル制度を導入するなど、働き方改革を進めることが求められている」としています。