米下院議長候補 スカリス氏が撤退表明 “支持まとめきれず”

アメリカ議会で先週、解任された下院議長の後任をめぐって、共和党の議長候補に決まっていたスカリス院内総務が党内の支持をまとめきれないとして、議長選びからの撤退を表明しました。議会の混迷は深まり、新年度の政府予算案の協議やアメリカの政策全体が停滞することへの懸念が高まっています。

アメリカ議会下院では、多数派を占める共和党の内部対立で今月3日、議長が史上初めて解任されました。

共和党は11日、党内で投票を行って、下院の党ナンバー2のスカリス院内総務を後任の議長候補に決めました。

ただ、党内では、議長候補選びでトランプ前大統領に近い保守派のジョーダン議員を支持した一部の議員が、その後もスカリス氏への支持を拒み、スカリス氏が説得を続けていました。

そして12日夜、スカリス氏は議長選出に必要な下院の過半数の票をまとめきれないとして、議長選びからの撤退を表明しました。

スカリス氏は記者団に対し、「われわれはまとまらなければならないのに、そこに至っていない」と述べました。

共和党は党の議長候補を選び直す必要がありますが、党内の分裂が浮き彫りになるなか、議長を決められるかは不透明です。

来月中旬にはつなぎ予算が切れ、新年度の政府予算案の速やかな成立が求められますが、議会の混迷は深まり、予算案の協議やアメリカの政策全体が停滞することへの懸念が高まっています。