ロシア軍 東部ドネツク州で兵力増強 ウクライナ軍との攻防激化

ウクライナ軍が領土の奪還を目指して反転攻勢を続ける中、東部ドネツク州ではロシア軍が兵力を増強して攻撃を強め、双方の攻防が激しさを増しているとみられます。

ウクライナ軍は南部ザポリージャ州や東部ドネツク州で反転攻勢を進め、徐々に領土を奪還していると発表していますが、ドネツク州の激戦地アウディーイウカ周辺ではロシア軍が兵力を増強して攻撃を強めているもようです。

ウクライナ軍の報道官は12日、地元メディアに対し、ロシア軍が空爆などを繰り返しているとした上で、「敵は何らかの勝利を得て流れを変える好機とみているようだ」と述べたほか、アウディーイウカの市長は「攻撃は3日間続いている」としていて、双方の攻防が激しさを増しているとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、「われわれは踏みとどまっている。この戦争の結末を決めるのはウクライナの勇気と結束だ」とSNSに投稿しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は11日、アウディーイウカの南西や北西の集落付近にロシア軍が部隊を進めたことが位置情報で確認できるとした上で、ウクライナ軍がほかの戦線に展開するのを阻止するねらいもあると分析しています。

一方、ウクライナ空軍は12日、ロシア軍がロシア西部の国境付近などから夜間に33機のイラン製無人機で攻撃を仕掛け、このうち28機を撃墜したと発表しました。

また、ウクライナのクリメンコ内相は、今月5日に東部ハルキウ州の集落でロシア軍のミサイル攻撃によって亡くなった人があわせて59人で、全員が地元住民だと確認されたと発表し、「決して許さない」とロシアを重ねて非難しました。