去年ノーベル平和賞受賞したロシア人権団体の幹部に罰金刑

去年ノーベル平和賞を受賞したロシアの人権団体の幹部が、ロシア軍の信頼を失墜させた罪に問われた裁判で、首都モスクワの裁判所は11日、罰金刑を言い渡しました。

ロシアの人権団体「メモリアル」は、旧ソビエト時代から人権侵害の監視に取り組んできた実績が評価され、去年ノーベル平和賞を受賞しました。

「メモリアル」の幹部の1人、オレグ・オルロフ氏は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を批判していましたが、ロシア当局は、ロシア軍の信頼を失墜させる文章をSNSに投稿したなどとして、ことし3月、自宅や事務所を家宅捜索し、その後、オルロフ氏は起訴されました。

裁判でオルロフ氏は争う姿勢を示していましたが、モスクワの裁判所は11日、オルロフ氏に対して罰金15万ルーブル、日本円にしておよそ22万円の判決を言い渡しました。

判決の後、オルロフ氏は記者団に対し「不当な判決であり、控訴するつもりだ。戦争に反対する抗議活動を行い刑務所に入っている人々のためにも戦わなければならない」と訴えました。

「メモリアル」に対しては、ウクライナへの軍事侵攻が始まる、およそ2か月前の2021年12月にロシアの最高裁判所が解散を命じる判決を言い渡すなど、プーチン政権のもとで人権団体への圧力が強まっています。