旧統一教会をめぐる高額な献金やいわゆる「霊感商法」の問題を受けて、文部科学省は、宗教法人法に基づく質問権の行使や、被害を訴える元信者などへの聞き取りなどを通じ、献金集めの手法や組織運営の実態などの調査を進めてきました。
これについて文部科学省は、12日の午後、学識者などによる宗教法人審議会を開くことを明らかにしました。
審議会では、調査の結果、教団の行為は解散命令の事由である「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などに該当するとして、教団の解散命令を裁判所に請求することについて意見を聴き、正式に決定する方針です。
その上で、翌日の13日にも東京地方裁判所に請求する見通しです。
請求後は、裁判所が文部科学省と教団の双方から意見を聴いたうえで解散命令を出すかどうか判断することになります。
解散命令が確定した場合、宗教上の行為は禁止されませんが、教団は宗教法人格を失い、税制上の優遇措置が受けられなくなります。
一方、教団側は、教団の活動には国が主張するような組織性、悪質性、継続性はなく、解散命令を請求する要件を満たさないと反論しています。
あす宗教法人審議会 旧統一教会 解散命令請求 正式決定の方針
旧統一教会をめぐる問題で文部科学省は12日、宗教法人審議会を開くことを明らかにしました。教団への解散命令を裁判所に請求することについて意見を聴いたうえで、正式に決定する方針です。
元妻が信者の被害者「早く解散命令請求を」
立憲民主党や共産党などが国会内で開いたヒアリングで、文化庁の担当者は、12日の午後、宗教法人審議会を開くと説明しました。
会合には、元妻が信者で、多額の献金被害で家庭が崩壊したと訴えている橋田達夫さんも出席し「本当に早く解散命令請求を出してもらいたい。そうでないかぎり、前に進めないという状況だ」と訴えていました。
そのうえで、立憲民主党が被害者の救済に充てるため、教団の財産を保全する法整備を検討していることについて「返ってくるものは、今はもうお金しかない。ほかの被害者も含めて必ずお金は返してほしいと強い信念で思っている」と話していました。