アフガニスタン地震 被災地で厳しい寒さ 仮設住宅の確保も課題

アフガニスタン西部で7日発生し、これまでに2000人以上が死亡したとされる地震の被災地では、夜間の気温が一部で0度近くまで下がるなど、冷え込みが厳しくなっていて、寒さをしのぐための仮設住宅の確保も課題になっています。

アフガニスタンでは今月7日、西部を震源とするマグニチュード6.3の地震が2回発生し、現地で実権を握るイスラム主義勢力タリバンの暫定政権は、これまでに2000人以上が死亡し、およそ2000の家屋が倒壊したとしています。

現地の気象当局によりますと、被災した地域の一部ではここ数日、夜間の気温が0度近くまで下がるなど冷え込みが厳しくなっているほか、冬にはマイナス10度を下回ることもあり、今後さらに寒さが厳しくなることが予想されるということです。

現地では多くの人々が国際機関などが配布したテントの下で生活していますが、寒さが厳しくなる中で夜を過ごすのが難しいということで、被災した人たちの中には、倒壊した自宅から毛布を探し出して避難場所に持参する人もいました。

15歳の娘が、倒壊した自宅の下敷きになったままだという女性は「昨日は寒さで眠ることが出来なかった。暫定政権にはもっと安心できる避難場所を作ってほしい」と話していました。

地震の発生から4日がたとうとするなか、現地では食料や飲み水のほか、寒さをしのぐための仮設の住宅の確保も課題になっています。

国連WFPの現地代表 国際社会の緊急の協力を呼びかけ

現地で支援にあたる国連WFP=世界食糧計画の現地代表はNHKのインタビューに対し、厳しい冬が迫るなか支援に必要な資金が不足しているとして、国際社会の緊急の協力を呼びかけました。

現地で支援活動にあたる国連WFP=世界食糧計画のシャオウェイ・リー代表は10日に都内でNHKの取材に応じ「村は完全に壊れ、壊れなかった家が1軒も存在しない村もあります。厳しい冬が来るまで1か月しかないので、十分な避難所と衣類、それに食べ物など最低限必要なものを確保したい」と述べました。

一方、世界各地で災害や戦争が相次ぐ中、アフガニスタンでの支援活動に充てるため各国から寄せられている資金は現時点で去年の2割ほどしか集まっていません。

リー代表は今回の地震で新たに支援が必要になるのは7万人から10万人にのぼると明らかにした上で「世界的に人道危機が起きていて財政的な制約があるのは理解しているが、私たちはアフガニスタンの危機も忘れてはならない」と述べ、日本を含む国際社会に対して緊急の協力を呼びかけました。