体操 橋本大輝 鉄棒で金 世界選手権で3冠は内村航平さん以来

ベルギーで開かれている体操の世界選手権、男子種目別の鉄棒で橋本大輝選手が初優勝し、団体、個人総合と合わせて今大会3つ目の金メダルを獲得しました。また、男子の平行棒では、初出場の23歳、杉本海誉斗選手が銅メダルを獲得しました。

ベルギーのアントワープで開かれている体操の世界選手権は大会最終日の8日、男子3種目、女子2種目の種目別の決勝が行われ、男子は▽鉄棒に橋本選手と千葉健太選手、▽平行棒に杉本選手と萱和磨選手、そして、女子は▽平均台に芦川うらら選手が出場しました。

このうち、鉄棒には東京オリンピックのこの種目の金メダリスト、橋本選手がF難度の「リューキン」やG難度の「カッシーナ」など大技を高い完成度でこなし、最後の着地もしっかり決めて2位に0.5以上の差をつける15.233の高得点をマークし、この種目、初めての金メダルを獲得しました。

橋本選手は、団体、個人総合と合わせて今大会3つ目の金メダルで、日本選手の3冠達成は、2015年の内村航平さん以来です。

千葉選手は、冒頭でミスがあり、12.700と得点を伸ばせず7位でした。

また、男子の平行棒は、初出場の23歳、杉本選手が最後の演技者として登場すると持ち味の美しい倒立姿勢から演技中盤に高さのあるE難度の「バブサー」を決め、15.000の高得点をマークして、銅メダルを獲得しました。

杉本選手が世界選手権でメダルを獲得するのは初めてです。

予選8位の萱選手は安定感のある演技で14.733と4位でした。

金メダルは、ドイツのルーカス・ダウザー選手で15.400でした。

このほか、女子の平均台は、予選8位の芦川選手が抜群の空中感覚で安定感のある演技を見せ14.066と予選より得点を伸ばしたものの5位でした。

金メダルは、14.800をマークしたアメリカのシモーネ・バイルズ選手でゆかでも金メダルを獲得して今大会4冠を達成し、みずからが持つ大会通算の金メダル数の記録を23に伸ばしました。

橋本「着地した瞬間に完璧だと思った」

橋本大輝選手は、「種目別で初めての金メダルなのでめちゃくちゃうれしい。着地した瞬間に完璧だと思った。大会最終日に気持ちよく悔いなく演技ができた」と笑顔で話していました。

そして来年のパリオリンピックに向けて「成長できた大会だったし、来年に向けていい流れができた。ここからさらに成長していきたい」と意気込んでいました。

杉本「持っている力を出し切れた」

杉本海誉斗選手は、「金メダルを目標としていたが、世界選手権で僕の中では一番いい演技ができた。後悔なく、自分の持っている力を出し切れて本当によかった。最終演技者でも慌てることなく着地もいい姿勢で止められた」と振り返りました。

そして来年のパリオリンピックに向けて「いい経験ができた。今大会で絶対に出場したいという思いになった」と決意を新たにしていました。

杉本海誉斗選手は、千葉県出身の23歳。

美しい倒立姿勢と減点の少ない技の正確性が持ち味で、平行棒やつり輪を得意としています。

体操の強豪、市立船橋高校から日本体育大学に進学し、社会人2年目で出場したことしの全日本選手権で3位、NHK杯で6位に入って世界選手権の補欠に選ばれると、8月には、ユニバーシアード大会の平行棒で銀メダルを獲得しました。

補欠としてチームに帯同していましたが、大会開幕の2日前に、三輪哲平選手がけがをしたため、繰り上がって代表入りしました。

大会では、8年ぶりとなる金メダルを獲得した団体の決勝で、つり輪と平行棒に出場し、安定感のある演技でチームに貢献しました。