フィリピン “中国海警局の船 巡視船の航行妨害 1mまで接近”

フィリピンの沿岸警備隊は中国と領有権を争う南シナ海で、自国の巡視船の進路の正面を中国海警局の船が横切って、わずか1メートルの距離まで接近して航行を妨害したと発表し、国際法に違反した危険な行為だと中国を非難しました。

フィリピン沿岸警備隊は6日、南シナ海の南沙諸島、英語名スプラトリー諸島の海域で10月4日、自国の巡視船2隻が中国海警局の4隻の船と中国の海上民兵が乗り込んでいたとみられる5隻の船に囲まれ、航行を妨害されたと発表しました。

その際に、中国海警局の船がフィリピンの巡視船の進路の正面を横切り、これまでで最も近いわずか1メートルの距離にまで接近して航行を妨害する場面もあり、巡視船は衝突を避けるためにエンジンを停止して逆回転させざるを得なかったとしています。

巡視船2隻は、南シナ海のセカンド・トーマス礁にあるフィリピン軍の拠点に補給に向かう船の警護に当たっていました。

沿岸警備隊の広報官は、現場の海域はフィリピンの排他的経済水域だと主張したうえで、海警局の船の接近については「国際法、特に衝突防止規則に違反している」と訴え危険な行為だとして中国側を非難しました。

一方、中国海警局は声明で「法律に従って厳重な警告、監視を行いフィリピンの船を効果的に制御した。今後も中国が管轄する海域での権利の保護と法の執行にあたっていく」としています。