巨人 原辰徳監督が今季かぎりで辞任 後任は阿部慎之助氏に

今シーズン4位が確定したプロ野球、巨人の原辰徳監督(65)が、3年連続で優勝を逃した責任を取り、3年契約の2年目となる今シーズン限りで辞任するとともに、原監督のもとでヘッド兼バッテリーコーチを務めている阿部慎之助氏に後任を託すことを明らかにしました。

原監督 試合後セレモニーで「辞任します」

3年ぶりのリーグ優勝を目指した巨人は今シーズン、スタートダッシュに失敗して4月半ばには一時最下位に転落するなど序盤から苦しみました。

その後も、優勝争いに加われないまま、昨シーズンに続き4位となることが確定していて、3年連続で優勝を逃したほか、2年連続でクライマックスシリーズに進出できませんでした。

巨人で同じ監督が2年連続で4位以下に終わるのは初めてです。

原監督は今シーズン最終戦となる4日夜の東京ドームでのDeNAとの試合後のセレモニーで「辞任します」と話し、3年連続で優勝を逃した責任を取って3年契約の2年目となる今シーズン限りで辞任することを明らかにしました。

阿部慎之助コーチと原監督

さらに「若い新しいリーダー、阿部慎之助君にチームを託す決断をしました」とも話し、原監督のもとで現在、ヘッド兼バッテリーコーチを務めている阿部慎之助氏に後任を託すことも明らかにしました。

リーグ2連覇を達成(2020年)

原監督は2002年に長嶋茂雄さんの後を継いで監督に就任してその年に日本一に輝き、2006年からは10年間監督を務めて6回のリーグ優勝と2回の日本一にチームを導きました。

そして、2019年から三たび監督を務めていて、最初の2年でリーグを連覇しましたがその後の3年間は優勝から遠ざかっていました。

原監督 試合後セレモニー「期待に応えられず 私の責任」

原監督は試合後のセレモニーでマウンド付近に立ち観客に向けてシーズン中の声援への感謝を述べた後「選手、コーチ、スタッフ、全力で戦い、1つになり戦いました。しかし力及ばず、成績はみなさんの前で誇れるものはなく、期待に応えることができませんでした。これは一重に監督であり、私の指導不足、私の責任であります。本当に申し訳ありませんでした」と話し、4位に終わった今シーズンの成績について謝罪しました。

そして「今回このような成績に終わり山口オーナーともしっかり話をしました。Bクラス確定の夜に2つのことを約束しました。1つは、辞任します」と話し、まず今シーズン限りで辞任することを正式に表明しました。

続けて「もう1つは、若い新しいリーダー、阿部慎之助君にチームを託そうと決断しました」と話し、阿部ヘッド兼バッテリーコーチに来シーズンの監督を託すことを明らかにしました。

さらに「私の心境は一片の曇りもございません。晴れ晴れとした気持ちでバトンを阿部監督に渡します」と話してあいさつを終えました。

阿部慎之助コーチ「重圧感じ 身の引き締まるところ」

このあと阿部コーチは「常勝軍団であり、伝統ある巨人軍の最多勝利数監督、原監督より大役を受け継ぐことになり、とてつもない重圧を感じ、身の引き締まるところです。強い巨人軍、愛される巨人軍を作るべく、チーム一丸となっていく所存です」と意気込みを語りました。

セレモニーの最後には原監督に花束が手渡され、坂本勇人選手や菅野智之投手など選手たちが涙を流すなか、ファンからは大きな歓声が送られ、原監督は手を振りながら笑顔でこたえて場内を一周していました。

巨人 山口オーナー「原監督にオーナー付特別顧問を依頼」

巨人の山口寿一オーナーは試合後に報道陣の取材に応じ、今シーズン限りで辞任する原辰徳監督について「17年間、ジャイアンツを率いて9回のリーグ優勝という、その功績は大きいものがある」とこれまでの実績をたたえました。

そして「原監督にはオーナー付特別顧問をお願いしたいと伝えて受けてもらっている。ジャイアンツの伝統と魂を伝えていくというのは原監督以外にいない」と今後に役職について説明しました。

また、後任の阿部慎之助新監督について「2軍監督から1軍コーチ、そしてヘッドコーチと監督の候補として最も有力視されていたし本人も自覚があったと思う。原監督も託すのは彼しかいないと思っていたし私たちの考えと一致した」と就任へのいきさつを述べました。報道陣から任期について聞かれると「まだ決めていないが1年契約ということはありえない」と複数年契約を示唆した上で「とにかく勝たないわけにはいかないので強いチームを作って欲しい」と新監督への期待を述べました。

一方で、チーム編成の権限について「原監督が持っていた編成権は今後どうなるのか」という質問に対し「ちかぢか発表する新しい編成本部長が編成のトップになる。チームは阿部新監督が率いるという体制だ」と編成と現場の指揮を分ける考えを示しました。