ナゴルノカラバフ アルメニア系住民の8割近くが迫害恐れ避難

アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地のナゴルノカラバフで起こした軍事行動のあと、アルメニア系住民の8割近くにあたるおよそ9万3000人が迫害を恐れてアルメニアに逃れるなど混乱が続いています。

アゼルバイジャンとアルメニアの係争地のナゴルノカラバフでは、アルメニア系の勢力が「共和国」として独立を宣言し支配してきましたが、アゼルバイジャンが19日に起こした軍事行動でアルメニア側が敗北したことを受けて、来年1月1日までに行政組織を解体する手続きが始まりました。

アゼルバイジャン政府は、ナゴルノカラバフの統合に向けて本格的に動き出すものとみられます。

こうしたなか、およそ12万人いたとされるアルメニア系住民がアゼルバイジャン側の迫害を恐れ避難する動きが相次いでいて、アルメニア政府は29日午後、8割近くにあたるおよそ9万3000人がアルメニアに到着したとしています。

アルメニアのパシニャン首相は28日「ナゴルノカラバフからアルメニア系の住民はいなくなってしまうだろう」と述べるなど混乱が続いています。

また、今月25日夜にナゴルノカラバフの中心都市、ステパナケルト近郊の燃料施設で起きた爆発では、車で避難しようとしていた住民が巻き込まれたとみられています。

現地の当局は26日の時点で少なくとも68人が死亡し、105人が行方不明になっているとしていましたが、29日、死者が大幅に増えて170人になったと明らかにしました。