インフルエンザ感染広がる ワクチン接種 開始早める医療機関も

10月からは、多くの医療機関でインフルエンザワクチンの接種が始まります。ことしはインフルエンザの感染が早く広がっていることから、接種開始を早めるクリニックも出てきていて、医師は「重症化リスクの高い人は、早めに接種を検討してほしい」と呼びかけています。

ことしは早くもインフルエンザの感染が広がっていることから、東京 杉並区のクリニックでは、例年10月から始めるワクチンの接種を、9月20日からに早めて開始しました。

予約枠を設けるとすぐに埋まる状態が続いているということで、28日も親子連れが次々とワクチンを接種していました。

小学生の娘と一緒に接種した48歳の母親は「子どもの周りで流行しているので、いつもより早く接種しました」と話していました。

一方、クリニックの発熱外来には多くの患者が訪れ、インフルエンザ陽性の診断が次々と出ていて、今後も発熱外来に対応する人手を確保するためには、10月のインフルエンザワクチンの予約枠を去年の1000人から650人に絞らざるをえない状態だということです。

たむら医院の田村剛 院長は「この時期にインフルエンザが感染拡大するのは経験したことがなく、はじめて9月から接種を始めた。発熱外来に対応しながら予防接種もするとなると、対応に限界があり、予約を絞らざるをえないのが心苦しい。重症化リスクのある子どもや高齢者は接種を検討してもらい、予約を早めにとってほしい」と話していました。

休校や学級閉鎖 全国で相次ぐ

全国の学校や子どもの施設では、インフルエンザの拡大で、休校や学級閉鎖が相次いでいます。

全国合わせて4万余りの学校や子どもの施設の1日ごとの学級閉鎖の状況をまとめている日本学校保健会によりますと、インフルエンザの拡大で学級閉鎖になったクラスの数は、
▽9月1日には42クラスでしたが
▽9月15日には373クラスとなり
▽28日の時点で552クラスに増えています。

都道府県別にみますと
▽千葉県で109クラス
▽茨城県で75クラス
▽大阪府で57クラス
▽東京都で48クラス
▽兵庫県で47クラスなどとなっています。

このほか厚生労働省によりますと、9月24日までの1週間に休校や休園となった学校・子どもの施設は全国で43に上っているということです。

東京 墨田区の小学校では4クラスが学級閉鎖に

東京 墨田区の押上小学校では10日ほど前からインフルエンザに感染する子どもが増え始め、これまでに4つのクラスが学級閉鎖になっています。

29日は合わせて19人がインフルエンザのため学校を休んだということで、手洗いなどの徹底を呼びかけていました。

5年生のクラスの子どもたちは、給食の時間も会話を控える「黙食」をしていました。

島田和久 校長は「この時期に学級閉鎖になることは例年、無いことです。保護者との連絡を密にして子どもたちが安心して過ごせるようにしたい」と話していました。